「た・す・け・て」金縛り現象、タイ人の解釈とは? 金縛り=ピーアムの意味に驚愕!
■タイ人が恐れる「ピーアム」と金縛りの科学
タイにおいて「金縛り」は、伝統的に「ピーアム」と呼ばれている。直訳すると「覆いかぶさる霊」となる。「金縛り=ピーアム」を科学的に説明すれば「脳は覚醒しているが身体は寝ている」状態である。一般に常識的なタイ人の間では、それは心霊現象とは関係なく、疲労が原因で誰にでも起きる現象なのだと理解されている。しかし「金縛り=生理現象」として切り捨てられない人々も存在する。二つ事例を紹介したい。
一つはタイの情報サイトの興味深い投稿だ。以前、試しにタイの情報サイトで「ピーアム」と検索してみたことがある。どのような理屈で金縛りが発生するかを科学的に説明したコメントが乱立する中、目を引く質問があった。
「昔から頻繁に金縛りにあい、この世のものではないものが見えることもあります。あれは死んだ人間の霊なのでしょうか、それともまた別の怪異のようなものでしょうか。彼らは私に何を求めているのでしょう。そして彼らが現れないようにするにはどうすればよいでしょうか。なお、この質問に対する科学的な回答はご遠慮願います」
おそらく質問者は、金縛りをきっかけとして起こる心霊現象に長年悩まされてきた。「金縛りなんて心霊現象ではない、単なる生理現象だ」というお決まりのアドバイスは嫌になるほど聞いてきたのだろう。文面から科学的アドバイスが彼にとって何の役にも立たなかったことが察せられた。
また「金縛り」といえば、元同僚のタイ人女性教師C先生の話を思い出す。「幽霊の出る教室」として過去に紹介した事例である。ある日の放課後、C先生と一緒に日本語教室に入ることがあった。彼女は突然教室の後ろの方に向かって「邪魔はしないから大丈夫よ」とつぶやいたのだ。
筆者の顔には同僚の謎の一言に対する困惑と疑いが表れてしまったのだろう。察したC先生は「気にしないでね。彼女、いるだけだから」と言った。何とも気になったので後ほど確認すると「子供たちから聞いたことあると思うけど、あの教室確かにいるのよね。でも悪いものじゃないから」という。この出来事でC先生に霊感があると知った。「霊が見えることはよくある、もう慣れっこになっている」とのことだった。
C先生によれば、多くの場合、霊はそこにいるだけで危害を加えてくるわけではないから、怖いとは感じないらしい。ところが、霊に慣れている彼女でも恐怖を覚えた「金縛り」にあったことがある。
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