報じられない「タリバンによるアフガニスタン制圧の裏と陰謀」! 麻薬ビジネス、ゴールド、ペド、ディープステート…ジェームズ斉藤が解説!


◆タリバンが支持を得た裏に「ペド」

──少年ですか?

ジェームズ 少女も当然狙われるんですけど、日本の衆道に近いものもあるんです。織田信長と森蘭丸に近い関係があったんです、アフガンにも。タリバンはそれを潰したので人気を集めたんですよ。ペドの中年のおじさんたちを処刑しまくって、子供たちを親のもとに返しているんです。それで民衆の支持を得て、オマル師こそ真の指導者だということで人気が出たんです。さらにパキスタンの諜報組織ISIの援助もあってタリバンのジハードを行うムジャハディーンも増えていって、一大ムーブメントになったんです。それが政権を作るまでになったのが97年です。

──しかし、タリバンってイスラム原理主義者ですよね? 原理主義者って普通あまり民衆の支持を得られないと思うんですが。

ジェームズ そこがイスラム教に無知な西側諸国の誤解しているところです。タリバンの考え方はイスラム教徒としては当たり前のことばかりなんです。

 そもそも「原理主義(ファンダメンタリズム)」とは啓典を文字通り解釈することで、戒律が無いキリスト教にしか通じない用語です。イスラム教とは、「宗教の戒律」、「社会の規範」、「国家の法律」が全て同じで、経典解釈及び実践が非常に明快になっている宗教です。要は、タリバンの理念はコーランに書かれていることを忠実に守った暮らしをしようということです。これはイスラム教徒なら真っ当な姿勢です。それが過激主義と言われる大きな理由は、我々の感覚からすると極端な男尊女卑や首切り等の残虐行為をやっているからです。それは現代社会ではあってはいけない行為です。しかし、彼らは宗教の中で生きているのです。イスラム教ではモハメッドが最後の預言者なので、彼らはいまでも7世紀時代の中東の論理から脱却出来ていないのです。

──だからこそ、近代化って話になるんでしょうけど。

ジェームズ ところが、彼らにとってそれは堕落なんです。しかも、「近代化だ、民主主義だ」と言ってる西側先進国がやっていることの中身は、大麻ビジネスで自国をスラム化していることです。タリバンたちはそれを間近で見ているんですから説得力なんかありません。

──善悪ははっきりしているけれど、簡単じゃないと。

ジェームズ そういうことです。また、タリバンとアルカイダを同じものだと見ている人も多いと思いますが、ゴールが違います。

 イスラムを信奉するという本質はともに同じなのですが、アルカイダのゴールは中東全体に真のイスラム教を取り戻すことです。彼らからすると、中東のサウジアラビアやアラブ首長国連邦等は、米国の傀儡政権でしかなくフェイクなイスラム国家なのです。アルカイダたちはフェイクなイスラム国家を潰し、カリフ制を敷き、アラブ人のオサマ・ビンラディンが全イスラム世界のカリフ(預言者の後継者)を名乗り、ウンマ(イスラム共同体)の頂点に立つことでした。

 一方、タリバンはそこまでは想定していません。タリバンはパシュトゥーン人の集まりで、パシュトゥーン人主導のアフガンでイスラム教を実践しましょうという人たちです。なので、彼らは基本的に祖国アフガンにしか興味がないんです。アルカイダのような全中東をイスラム化することまでは考えていません。

──ということはタリバンとは、いま日本のマスコミで言われているほど凶悪な人たちではないんですね? 

ジェームズ いえ、凶悪なのは確かで日本や欧米の感覚だと「悪」かもしれませんが、そのような特徴のみではタリバンの全体像は見えません。タリバンは政権奪取後、「我々は国民とアフガニスタンのサーヴァントだ」という声明を出しました。これはタリバンのプロパガンダですが、一応彼らの思想の根本であるパシュトゥーン民族主義を反映しています。これは宗教やテロとはなんら関係がなく、純粋な愛郷心の発揚です。

 確かに、アフガン国民はこれからシャリーア法の下で自由度ゼロの窮屈な生活が待っています。しかし、治安は回復し、米軍占領下でも全く統制が効かず腰抜けの支配層が汚職まみれになり毎日のようにテロが起こっていたような時代は過去のものになるでしょう。いま、身の危険を感じると騒いでいるのは米軍の協力者、人権団体関係者、そして麻薬ビジネスに協力して甘い汁を吸っていたアフガン人の可能性が高いです。彼らは西側とのパイプを持っていますから、そういう話だけしかこちらには伝わってこないだけで、これからアフガンは少なくとも国民のものにはなると思います。

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