東京五輪グッズの不人気が生んだ「さらなる犯罪」

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TOKYO, JAPAN, MARCH 27 2020 – A young boy stands in front of the Olympics logo at the National Olympic Stadium in Tokyo, following the announcement that pospones the games to next year due to coronavirus outbreak- PHOTOGRAPH BY Massimo Rumi / Barcroft Studios / Future Publishing (Photo credit should read Massimo Rumi/Barcroft Media via Getty Images)

 日本選手団が、史上最多の金メダル27個・メダル計58個を獲得した東京オリンピックだが、残念ながらこの快挙は手放しで喜べないとの声も多い。なにしろ開催決定時から運営上のトラブルが相次 ぎ、当初予定の4倍以上もの予算を使い果たしたあげく、新型コロナウイルスのパンデミックにより1年延期、競技上でも予選中止で過去実績による代表決定だったり、海外勢が日本での事前キャンプ ができないなど不公平な要素の多い大会となった。

 一方、大会公式グッズの大量売れ残りが報じられ、開催中こそ一時的に購入者が殺到したが、全般的には都内の各売り場は閑古鳥が鳴き、ライセンス商品で割引ができない事情もあって、タオルやキー ホルダー、ピンバッジ、Tシャツなど、かなりの在庫が残ったという話だ。そこで組織委員会の関係者が古物商に商品の買い取りを求めたとの報道もあったほど。なにしろ公式マスコットのミライトワ(五輪)、ソメイティ( パラリンピック)は名称すら認知度が低く、開会式でも起用されないままだった。

 実は五輪グッズをめぐっては、海外で詐欺事件も勃発していた。公式キーホルダーを4千個も仕入れたタイの業者が海賊版のニセモノをつかまされてしまったという。同様にフィリピンやインド、台湾でも同様の被害があり、これを販売したという愛知県の業者の行方が追われている。

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「今年2月ごろ、仕入れ価格の本来3割引きのところ7割引きで卸せるという売り込みがあって、定価円の820を仕入れることになった」と話すのは、 日本雑貨を販売するタイのウィチャマ・クラシリ氏。

「業者との連絡は電話、メールのほか、大量のグッズ実物を見せるビデオ通話でもやり取りしました。オフィスの中で30~40代ぐらいのスーツを着た普通の人で、公式グッズを売るライセンス証みたいなものも見せていました。日本人業者とのやり取りで今まで詐欺に遭ったことは一度もなかったので、信用してしまった」

 業者は愛知県宝飯郡小坂井町にある「ヒノタマジェット」の社長マ ツバラケンタと名乗っていた。ウィチャマ氏は3月、送料や消費税を含めた代金の約120万円を送金、約3週間後に商品を受け取っ たが、届いた4000個の商品は海賊版のニセモノで、しかも発送地が中国・上海だったという。

「しかも数えてみたら4千個ではなく2860個しかなかった。すぐにマツバラ社長に問い合わせましたが、電話番号もメールも使われてない状態。日本の知人に調べてもらったら愛知の住所も無関係な住宅地だった」

 その後、ウィチャマ氏は同様に騙された輸入業者が複数の国々にい ることも分かり、「日本の雑貨を扱っている業者が意図して狙われたことが分かった」という。

「詐欺といっても商品が届かなかったのではないので、おそらくは 海賊版商品を大量生産し、それが過剰に余ってしまったことで転売を思いついたんでしょう。他国の被害者も商品の発送地が上海なの で、そこに海賊商品の製造元もあるのでは」

 事実、一部中国の通販サイトでは海賊グッズが五輪開催中、堂々と 販売されていたとの話もある。詐欺事件で発覚した東京五輪のニセグッズ。ちなみに大損をしてしまったウィチャマ氏は仕方なく、一部商品を取引先の小売業者などに事情を話して格安転売。「見た目 は悪くないので、捨てちゃうよりはいいでしょう」と語っている。 五輪関係者に責任のある話ではないが、東京五輪グッズの不人気は海賊業者も悩ませ、さらなる犯罪を生んだようだ。

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文=ジャーナリスト・片岡亮

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