雇った殺し屋が下請けを雇い… 5次請け到達までの“全詳細”が判明! 誰も知らない「暗殺ビジネス」の真実!
公正取引委員会は2016年より小規模事業者の取引を保全する観点から下請法等の改善に取り組んでいる。一つの成果は「下請代金の支払はできる限り現金によるもの」と要請したことだ。日本においては、このように下請け事業者への法的処遇の改善努力がなされている。
一方、中国ではどうだろうか。共産党による締め付けがキツイ分、違法性の高いビジネスは地下に潜りやすくなる。つまり「下請け」への処遇は、文字通りに下に行けば行くほど、悪くなり悲惨な結果を招くことになる。
そのような中国社会におけるビジネスの闇は、多くの場合、まさしく闇に葬られてしまう。しかし、実態が明らかになるも死者ゼロ、さらに全員が逮捕されるという、なんとも珍妙な「下請け」の事例があった。究極の「下請け」のリアルと顛末について報じた2019年10月の記事を再掲する。
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殺しの下請けが繰り返され、最終的に死者ゼロという摩訶不思議な事件が中国で起こった。
その概要はこうだ。英「BBC」(10月22日付)によると、中国のビジネスマンTan Youhuiは、競争相手を“取り除く”ため殺し屋Aを雇ったという。しかし、殺し屋Aは別の殺し屋Bを雇い、殺し屋Bは殺し屋Cを雇い、殺し屋Cは……。最終的に5次請けの殺し屋まで話は流れて行ったというから驚きだ。
この複雑な下請け合戦が始まったのは2013年のこと。ターゲットとなったWei氏がTan氏の会社に対して訴訟を起こしたことがきっかけだという。長期の裁判で資産を失うことを恐れたTan氏は、約3100万円で殺し屋のXi GuanganにWei氏の殺害を依頼した。
すると、依頼を受けたXiは、別の殺し屋Mo Tianxianに殺しを依頼。それに加えTan氏に殺しの成功報酬として追加で1500万円を要求。ちょうどMoに約束した報酬が1500万円だったため、その穴埋めをしようという魂胆だ。何もせずに手元に1600万円が残るにも関わらず、さらに搾り取ろうとは、真正の極悪人だ。
そして、Moもまた別の殺し屋Yang Kangshenに殺しを依頼。手付金約415万円を払い、成功報酬として約770万円を約束した。
まだまだ下請け合戦は止まらない。Yang Kangshen(Yan Kとする)もまた別の殺し屋Yang Gunagshen(Yang Gとする)に約300万円で殺しを依頼、成功報酬として770万円も約束したのだ。って、おいおい、Yan K、それでいいのか? 成功報酬770万円まであげてしまったら、最終的に手元には115万円しか残らないのでは!?
4人目の殺し屋Yang GもLing Xiansiという別の殺し屋にWei氏の殺しを依頼。その金額約150万円。最初の3100万円からピンはねされ続けて、約20分の1の金額になってしまった……。
この時点で一番儲けているのは、最初に殺人依頼を受けたXi。手元に1600万円残り、成功報酬1500万円が加算されれば、当初の金額通り3100万円を手にする。Moは手元に1085万円残っているが、成功報酬としてYang Kに770万円払うため、最終的には315万円。Yang Kは手元に115万円残り、成功報酬として770万円を得るが、それをそのままYang Gに渡してしまうため、最終的な残りも115万円。Yan Gの手元には150万円残り、それに成功報酬として770万円が加算されるため、最終的に920万円。そして、Lingは150万円。なぜか3番目のYang Kがもっとも取り分が少ない。
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