臓器売買、秘密結社、「ナギラウイルス」… 今年最高にヤバい映画『西成ゴローの四億円』上西雄大監督インタビュー!
映画『西成ゴローの四億円』と『西成ゴローの四億円 死闘篇』。この物語は、大阪市西成区に住む日雇い労働者・土師晤郎、通称「西成ゴロー」が主人公だ。
彼は、過去に殺人罪で服役し、人殺しのゴローという異名をとっていた。記憶を失っていたが、元政府の諜報機関の工作員であったことや妻と娘がいたことなどを思い出していく。そして、娘が重度の心臓病で心臓移植が必要なことを知る……。
一人娘の命を救おうと、西成ゴローは所持金0円から4億円を稼ごうと奮闘する。命を賭けて、大きな仕事をしかけるが、そこには危険もある。無敵の男・ゴローが懸命に戦い、もがき続ける姿を描くアクションエンターテイメント作品だ。
監督・脚本・主演は、世界中の映画祭で感動を巻き起こした映画『ひとくず』の上西雄大。ゴローの敵となるフィクサーに奥田瑛二。元ゴローの同僚で政府の諜報機関に勤めるのは津田寛治。ゴローの元妻に山崎真実。他にも笹野高史、加藤雅也、木下ほうか、石橋蓮司ら実力派俳優が脇を固める。
今回は西成ゴロー役であり、監督・脚本でもある上西雄大氏に本作の現場、その魅力を大いに語っていただいた。
■西成に“ヒーロー”登場! 他ではありえない撮影秘話
――映画『西成ゴローの四億円』『西成ゴローの四億円 死闘篇』と連続で拝見しました。涙あり、笑いあり、人情あり、アクションあり、と楽しめる要素がたくさんの作品でした。上西監督は、大阪に生まれ育って、過去に『ねばぎば新世界』という作品も撮られていますが、今回、大阪の西成区を舞台に選んだ理由は何ですか?
上西雄大監督(以下、上西監督) 僕は、役者なので人間観察をするのが好きなんですね。西成は今でも人間の色を強烈に放つ人たちがいる場所ですし、僕みたいに大阪に住んでいる人はいろいろなイメージを持っていると思います。
西成に暮らし、西成を背負っている、しかも一発もパンチをくらわないほど圧倒的に強い。僕が作りたかったのは、そんな“西成に住むヒーロー”なんです。
また、作品のテーマには経済格差や貧困もあります。劇中では、登場人物の借金や貯金の数字も細かく表示していますが、それによってお金を持っている人、持っていない人が見る景色の差、お金の使い方もわかるようになっています。そして主人公のゴローは、所持金0円で、社会の最底辺から上を見るんですね。お金の額面だけを比較すると他者が上に見えるでしょうが、物語とともに登場人物たちの価値観が変わっていく様子も見てほしいですね。
――お金がからむと、人の本性がわかりますよね。上西監督がこのようなストーリーを思いついたきっかけはあるのでしょうか?
上西監督 直接には、以前『西成ゴロー』という短編映画を撮ったことですね。この物語では、日雇い労働で暮らす西成ゴローという人物が若年性アルツハイマーになり、医師に言われて残った記憶をノートに書き出していきます。すると捨てた娘のことばかりになる。探し出した娘はシングルマザーで苦労をしている。だから自分の目玉と腎臓を売り、お金を届けた後に、主人公はアルツハイマーが進行して帰り道もわからなくなるという映画です。この短編は本作とはまったく別の話です。ちなみにこの作品は未発表なんですよ。
――そんな裏話があったんですね。ロケは問題なく進んだのですか?
上西監督 本作の撮影では、主題歌を担当した「西成の神様」というシンガーが、地元の人への声がけで力を貸してくれました。すると、みなさんスムーズに協力してくれたんです。
――その「西成の神様」というシンガーはどのように見つけたのですか?
上西監督 過去作『ひとくず』で主題歌を唄ってくれた吉村ビソーさんなど、僕は大阪のミュージシャンと仲がいいんです。「西成の神様」はそのつながりで出会ったんですが、第一印象は見た目がヤバイ人で、あまり話したくなかったくらいです(笑)。ただ、歌を聞いたらめちゃめちゃ良くて、惹かれたんですね。話してみると「オレはサタンが見える」とか言っている面白い人でした。
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2024.10.02 20:00心霊臓器売買、秘密結社、「ナギラウイルス」… 今年最高にヤバい映画『西成ゴローの四億円』上西雄大監督インタビュー!のページです。大阪、臓器売買、貧困、格差、闇金、西成、上西雄大、西成ゴローの四億円、石橋蓮司、奥田瑛二、大阪弁、京都映画祭などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで