臓器売買、秘密結社、「ナギラウイルス」… 今年最高にヤバい映画『西成ゴローの四億円』上西雄大監督インタビュー!
■名優たちとの芝居、大阪弁でしか表現できないもの
――地元の協力がないと撮れない映画だと思いました。アクションもセリフも全体的に昭和感があったように感じましたが意識しているんでしょうか?
上西監督 僕は昭和の映画で育ったんです。それがいつまでも自分の中に残っていて、そういったものを作りたいと思うんですね。例えば、ゴローが歩いているシーンでボーカルの入った歌が流れてくる。今はあまりやらない演出ですが、わざと盛り込んでいます。
この作品に関しては、松田優作さん主演の『遊戯シリーズ』など、東映セントラルフィルムの影響が大きいですね。撃ち合いのシーンには西部劇的な要素も入っています。
――そのアクションシーンは見事でした。上西監督自身は格闘技経験などはありますか?
上西監督 撮影ではアクション監督に指導してもらいました。今回の2作に関しては、『ジョン・ウィック』にならずに松田優作さんの『遊戯シリーズ』のアクションになってほしかった。昭和のアクションを目指しました。
僕自身は少しボクシングをやっていたので、殴るのはわりと慣れています。でも、蹴ったり、相手のナイフを奪い取ったり、銃を奪って返り討ちにするなどは、今後はもっとクイックに、クリアーにみせていきたいですね。
――また、作品の特徴に大阪弁があげられると思います。
上西監督 大阪弁で会話すると、標準語では表現できないニュアンスが出てくると思います。殺しを商売にするもの同士のシーンでも、関西弁でしか撮れないシーンがたくさん入っています。
加藤雅也さんが関西の方で、関西弁で加藤さんとぶつかってみたかったのでオファーしたんです。現場で芝居について相談して決めることもありました。あるセリフの後に「しらんけど」を入れたり。関西人は本当に自由に発言しますから。人間を描こうとすると、シリアスの間に笑いも生まれてくるんです。
――加藤雅也さんのほかにも、有名な役者さんが多数出演しています。共演の感想はいかがですか。
上西監督 僕は役者なので、ゲストの方とお芝居をさせてもらい、対峙するのが喜びです。
津田寛治さんとやり合うのはしびれました。奥田瑛二さんからはこういう空気が帰ってくるんだと感動しました。憧れの石橋蓮司さんが僕の目を覗き込むシーンは、夢のようでした。石橋蓮司さんは、僕が大好きな作品で松田優作さんや原田芳雄さんのいつもそばにいた人です。
笹野高史さんとの芝居は人間と人間としてぶつかっている、つながっていると感じました。あのような人間臭い空気を投げてくれるのは、笹野さんしかいません。今思い出しても体が震えそうです。
あと松原智恵子さんの演じた大臣がスゴい大阪弁で、僕が大阪弁に自信がなくなるほどでした(笑)。あんな松原さんが見られるのも本作だけですよ。とにかく、すべての役者さんとの芝居が尊い時間でした。それが作品に詰まっています。僕にとっては宝物です。
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2024.10.02 20:00心霊臓器売買、秘密結社、「ナギラウイルス」… 今年最高にヤバい映画『西成ゴローの四億円』上西雄大監督インタビュー!のページです。大阪、臓器売買、貧困、格差、闇金、西成、上西雄大、西成ゴローの四億円、石橋蓮司、奥田瑛二、大阪弁、京都映画祭などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで