臓器売買、秘密結社、「ナギラウイルス」… 今年最高にヤバい映画『西成ゴローの四億円』上西雄大監督インタビュー!
■誰かの人生に自分の作品を残したい
――製作者として、このシーンは絶対見てほしいという部分はありますか?
上西監督 目玉と腎臓を売ってトボトボと西成を歩いているゴローと、バイクやポルシェに乗って走るゴロー。そのギャップですね。また、映画の中でゴローはどんどん覚醒していきます。その変化も見てほしいですね。
――来年には次回作『ヌーのコインロッカーは使用禁止』も公開されます。どんどん作品を生み出す上西監督の創作意欲、原動力はどこから来るんですか?
上西監督 僕が役者であることですね。仲間とともに演じて、誰かに何かを手渡したいんです。そう考えて、舞台をやってきたし、映像だと、形として残る上に自分たちの知らないところでいろんな人の人生に関わっていきます。『ひとくず』はたくさんの人から思いやメッセージをいただいて、光栄でした。
僕自身も、幼少期はひどい父親がいる環境だったので、おばあちゃんがよく映画館に連れて行ってくれました。映画館こそが落ち着く場所だったんです。僕は劇場でいやなことを忘れられたし、映画から人生を学びました。そのおかげで今、僕は映画に関わることができています。そういう風に僕の作品が、誰かの人生の一部になっていければ、これほど幸せなことはない。だから頑張れるんです。
――最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
上西監督 今は西成は安心して歩ける街ですし、外国人も多く集まってきます。西成は大阪が世界にアピールしてもいいぐらい本当にいい街です。西成の子ども食堂も、本当に心温かな人が運営されています。西成は大阪の中にあって、人の心が生きている街なんです。そんな西成を舞台にした、西成だからこそ描けた物語です。
そしてこれからも、僕は西成ゴローを自分の人生とシンクロさせて、ずっとゴローをやり通したい。ゴローがどういうふうに生きて、年をとるかを演じたいです。今回で作品は完結したように見えますが、愛する妻と娘のために、彼はまだまだ戦い続けます。ゴローは西成を絶対離れません。
――先日は京都映画祭でも拍手喝采だったそうですね。
上西監督 京都映画祭では満席で凄く盛り上がり、お客さんもスタンディングオベーションで反応してくれて、僕はもう感極まりました。映画祭では『西成ゴローの四億円』だけ上映されたのですが、「死闘篇が早く見たい」とみなさんに言っていただきました。11月9日からのTOHOシネマズシャンテでは2本が同時上映なので、ぜひ来てご鑑賞ください。
――ありがとうございました!
映画『西成ゴローの四億円』『西成ゴローの四億円 死闘篇』
2021年11月9日[火]よりTOHOシネマズシャンテにて特別先行一挙公開
[2022年 全国順次ロードショー]
公式WEB
https://goro-movie.com/
上西雄大(うえにし・ゆうだい)
1964年、大阪生まれ。俳優、映画監督、脚本家。2012年、劇団テンアンツを旗揚げし、関西の舞台を中心に活動。2020年公開の『ひとくず』では脚本、監督、主演でミラノ国際映画祭にて最優秀作品賞と最優秀男優賞をW受賞。2020年ロンドン国際映画祭グランプリなど多数受賞。 『西成ゴローの四億円』『西成ゴローの四億円 死闘篇』が満を持して2021年に公開。
・ 上西監督ツイッター @10antsyoudai
・ 映像劇団テンアンツ http://10ants.jp/index.html
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2024.10.02 20:00心霊臓器売買、秘密結社、「ナギラウイルス」… 今年最高にヤバい映画『西成ゴローの四億円』上西雄大監督インタビュー!のページです。大阪、臓器売買、貧困、格差、闇金、西成、上西雄大、西成ゴローの四億円、石橋蓮司、奥田瑛二、大阪弁、京都映画祭などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで