犬サイズのカマキリが誕生? 100万年後の地球上で繁栄する生物の姿がヤバい!

 恐竜をはじめとして太古の昔には現在とは異なる姿の生物たちが地球上で繁栄していたことがわかっているが、我々人間を含めて地球上の生物は今もその姿を変えつつあるのだろうか。そうだとすればたとえば今から100万年後には地球上にどんな生物がいるというのか。

■100万年後の地球上で繁栄する生物の姿

 ご存知のように我々人類の文明が引き起こしている環境破壊によってすでに数々の生物が絶滅し、絶滅が危惧される生物種も増えている。そして全面核戦争や小惑星衝突、激甚自然災害など我々人類自身が直面している“滅亡シナリオ”もある。

 しかし一部の生物学者は今後地球上がどのような環境になろうとも、姿を変えて適応し生き残る生物が必ずいると主張している。

 カリフォルニア州立大学モントレーベイ校の進化生物学の教授であるリズ・アルター氏は生物がこの先どのような姿になるのか、真剣に検証してみるのはきわめて重要なことであると指摘する。

 では今から数万年、さらには数百万年後に地球上に存在しているのはどのような生物なのだろうか。現在の地球は人為的な気候変動に見舞われ、その結果、6番目の大量絶滅期に直面しているといわれている。仮に人間が絶滅したとしてもしぶとく地球上で生き続ける生物の筆頭にはどんな生物なのか。

「Vox」の記事より

■肉食鳩(carnivorous pigeon)

 まず挙げられるのはネズミなどのげっ歯類、そしてゴキブリやハトに類する生物であると、米イリノイ州シカゴの「フィールド自然史博物館」の古生物学者であるジンマイ・オコナー氏は説明している。これらの動物は「私たちがこの惑星に行っている最悪の事態にもかかわらず、うまくやっていけます」というのである。

 これらの種が現在起こっている生態学的変化を生き残るならば、それらはまた、絶滅した動物によって残された生態学的空間を埋め合わせるために進化する可能性があるいう。たとえば、トラが次の百万年で絶滅した場合、トラの役割を引き継ぐように巨大な肉食性のハトやラットが出現することが考えられるという。

「Vox」の記事より

 この「肉食鳩(carnivorous pigeon)」はもはや飛ぶことはできないが、現在のダチョウほどの大きさまで巨大化し、大きく鋭いクチバシを持ち発達した後ろ足で野原を駆け回り獲物をとらえて捕食するという。

■クジラネズミ(whale-rat)

 遠い将来、哺乳類の種が絶滅し続ければ、げっ歯類にとっては繁栄する態勢が整うことになるという。

 ミドルベリー大学の古生態学者であるアレクシス・メカジュリウ氏はニューヨークのような大都市でも繁栄するために適応力を進化させ続けているネズミに注目している。彼らは、重金属汚染や放射能の中での生活にさらに適応したり、将来的には有毒な廃棄物を食べたりすることさえできるかもしれないというのである。

 そして陸上での生活が今後さらに厳しくなると、ネズミはゆっくりと海や川での生活に移行してくるという。おそらく、彼らの進化した子孫は毛皮や手足を失い、完全に水生生物の存在に適した流線型のボディを発達させるというのだ。

 前例としてアザラシやクジラのような他の海洋哺乳類は、陸生生物から水生生物への移行においてこの道をたどってきている。

「Vox」の記事より

 この完全に水生に適応した「クジラネズミ(whale-rat)」はペンギンのような水かきを持ち、ウナギのような尻尾を持って水の中で活動するという。ネズミもまた海洋に進出するのだ。

■プラスチックを食べるシロアリと「セーリングバット」

 未来の動物について考えるうえで、未来の地球環境を想像することも必要である。

 人間が行った環境破壊により、人類が去ったとしても環境中のプラスチック汚染は何千年も続く可能性があるという。プラスチックに囲まれた環境にどのように適応するかもまた生物にとっての課題なのだ。

 スミソニアン国立自然史博物館の進化生態学者であるサハス・バーブ氏は、プラスチックは「すべての生物が依存する大きな炭素源」であると述べている。今後プラスチックは食物になる可能性があり、「それを利用できる動物ならどれでも成功するだろう」と言及している。

 具体的にはシロアリはそのような生き物の1つである可能性があり、すでにセルロースを分解できるシロアリがプラスチックのようなポリマーを分解するように適応することを想像するのは難しくないという。

シロアリ 画像は「Wikipedia」より

 また温暖化による海面上昇により陸地が狭くなるため、前出のクジラネズミのほかにも多くの陸上生物が海に進出することになると考えられている。

 ワシントン大学の生物学教授であるシャーリーン・サンタナ氏は、コウモリの種がどのように進化して海の外や周辺に生息するかを考察している。翼幅が1.8メートルほどもある大型コウモリが海上を滑空し、獲物の魚を求めて水中でも機能するエコーロケーション能力を獲得するという。実際に一部のコウモリはすでにこの能力を持っているということだ。

 ちなみにサンタナ氏はこの未来のコウモリを「セーリングバット(sailing bat)」と呼んでいる。

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