「タイムトラベルは可能だが未来への片道切符、運命も変えられない」現代最高の科学者たちの見解がヤバい!
タイムトラベルで過去に行き、まだ結婚する前の父親を殺害するとどうなるのか? 殺害の瞬間に自分は生まれていなかったことになり、この世から永遠に姿を消すことになるのだろうか? 最近の研究で、この問いに対する“答え”がついに見つかったのかもしれないのだが――。
■過去へのタイムトラベルは可能なのか?
タイムトラベルとはSFの世界の空想的な概念だが、実は疑問の余地もなく、広い意味でのタイムトラベラーは現実に存在している。それはたとえばISS(国際宇宙ステーション)に滞在している宇宙飛行士である。
地上から400km上空の宇宙空間を秒速7.7kmで周回しているISSの内部では、アインシュタインが予測していた通り、ほんの僅かではであるが時間の流れが遅くなっている。
ISSにおける時間は地球上の時間よりも6カ月につき0.007秒遅れており、これはつまり、ISSに半年滞在した宇宙飛行士は帰還時に我々よりも0.007秒“若く”、そして帰還した宇宙飛行士は0.007秒先の未来にタイムトラベルしたことになる。
宇宙旅行時代に我々が直面するイベントを描いた点でも示唆に富む映画『インターステラー』(2014年)では、ブラックホールの近くにある極端な重力場の惑星に滞在した宇宙飛行士が地球に帰還すると、自分の娘が老婆になっていたというエピソードが綴られている。この宇宙飛行士も広い意味でのタイムトラベラーということになるのだ。
そしてこれらのケースは、いずれも未来へのタイムトラベルということになる。最先端の物理学者たちの間でもその実現がいつになるのかはともかく、未来へのタイムトラベルは可能であるという見解に異論はあまりないようだ。
では一方で、過去へのタイムトラベルは可能なのか?
かつてアインシュタインは過去へのタイムトラベルは、ワームホールの一種である「アインシュタイン-ローゼン橋(Einstein-Rosen bridge)」を介して達成できると説明していた。ワームホールは時空における理論上の領域であり、空間内の2つの離れた点を接続するように歪んでいる構造を持つ。アインシュタインの方程式によれば、宇宙のこの橋が十分に安定していれば、2つの時点を仮想的に接続できることを示唆している。
しかし、ブリティッシュコロンビア大学の天体物理学教授であるジェイミー・マシューズ博士は、このアイデアに疑問を呈している。
「現時点では、アインシュタイン-ローゼン橋でさえ、十分に長くは続かないため、過去に戻ることはできません。それほどまで安定していないからです。たとえ安定していたとしても、さらに私たちが持っていない他の物理学を必要とします。負の質量を持つ粒子をはじめ、既知の物理法則に反する“エキゾチック”な物理的特性を持つ仮想粒子および物質の状態などです。そのため、“ワームホール”は空想科学小説にすぎません」(ジェイミー・マシューズ博士)
■タイムトラベルは未来への“片道切符”しかない?
過去へのタイムトラベルはなかなか難しそうではあるが、もし可能であるとすれば、結婚する前の若い父親(あるいは祖父)に会って殺害したらどうなるのか。これはタイムトラベルを語るうえで有名な「親殺しのパラドックス」である。
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』では、過去にタイムトラベルした主人公のマーティー・マクフライが、若い頃の両親の出会いを妨害しそうになり、自分の姿が消えかける一幕がある。この時に両親が出会って結婚していなければ自分は生まれてこなかったことになり、自分がこの世から姿を消すことになるのだ。もちろん人の行動を妨害したり、人を殺したりしてはいけないが、思考実験としては当然可能な行為である。
昨年の豪クイーンズランド大学の研究に、この不可解なパラドックスに答えるヒントがあるかもしれない。この研究では、パラドックスのないタイムトラベルが可能であることを数学的に証明し、宇宙が矛盾を避けるために自己修正することを示しているのだ。もしこれが本当なら、たとえ時間を遡り過去に行くことができたとしても、イベントを変更して別の未来を作り出すことは決してできないことになる。
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2024.10.02 20:00心霊「タイムトラベルは可能だが未来への片道切符、運命も変えられない」現代最高の科学者たちの見解がヤバい!のページです。未来、過去、アインシュタイン、ワームホール、時間旅行、インターステラ―などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで