「許さない…!」“売春婦の墓”の女の霊に取り憑かれた男たち! 骨折、脳の腫れ、死亡…

――タイ在住歴20年の私バンナー星人が、タイ社会では馴染みの深い、妖怪、幽霊、怪談、呪術、占い、迷信といったものに光をあて、日本人の目には触れることが少なかったタイの怪奇世界に皆様をお連れします。

■タイ最凶心霊スポット「売春婦の墓」

 死者の念が訪れた者に災いを及ぼすと信じられている「心霊スポット」というのは、タイにも各地に点在している。その中でも「最凶」と恐れられているのが、カンチャナブリー県タームアン郡にある「売春婦の墓」だ。墓と呼ばれてはいるが、埋葬されて供養がされているいわゆる「墓地」ではない。ではなぜそのように呼ばれるようになったのだろうか。

 1980年代、この場所で体を売っていた女性というのは、自らお金欲しさで働いていたわけではなかった。いい仕事があると騙されて連れてこられた者や、親の借金のカタに泣く泣く来た者などが多く、連日途切れることなく訪れる男性客の相手を無理矢理させられていたのだ。少しでも抵抗する者には容赦なく暴力がふるわれた。妊娠しても手荒く中絶させられ、そのまま死を迎える者、病気になりながらも客を取らされ続け衰弱死していく者など、数えきれない死がこの場所を埋め尽くしていった。

 この場所はすでに閉鎖されているが、それから数十年経った今もなお当時の姿を残している。廃墟と化した内部には、当時働いていた女性たちの衣服などが散乱しており、彼女たちの苦しみに満ちた怨念が渦巻いているように感じられるという。また、夜になると女や赤子の泣き声が聞こえる、と近隣住民の間で噂が立つようになり、その噂とともにいつしかこの場所は「売春婦の墓」と呼ばれ、怖れられるようになったのだ。

売春婦の墓の外観


■悪ふざけの肝試しのつもりが…

 この売春婦の墓に肝試しに訪れる若者は多い。しかし、そのせいで地獄を見ることになったのが、ある走り屋の少年グループだ。仲間たちに立て続けに降りかかる災いに怖れをなし、タイで人気の心霊番組「コンウアットピー」に助けを求めたのだ。番組内で彼らが語った内容は次のようなものだった。

 2015年11月29日夜、バンコクからカンチャナブリーへ遊びに来ていた彼らは、宿で暇を持てあましていた。すると仲間の一人がこの近くに「売春婦の墓」と呼ばれる有名な心霊スポットがあると言い出した。肝試しとは暇つぶしにもってこいだと言わんばかりに、一行はバイクでそのスポットに向かった。その時のメンバーの数は15人ほど。目的地に着いた彼らは、ふざけながら「この場所の名をさらに轟かせてやるよ」と言い放ち、自作の爆弾を「売春婦の墓」の跡地に投げ込んだ。仲間が撮っていたその動画は番組内でも流されたが、悪ふざけが過ぎると言わざるを得ないもので、番組司会者も眉をひそめるほどだった。

 番組に相談に来たのはメンバーのうち3名。まずはその中から、フォーカス君があの夜に起こったことを少しずつ語り始めた。

 あの日フォーカス君は、売春婦の墓に最後に爆弾を投げ込んだ人物だった。投げたあと、皆に遅れをとって女友だちが運転するバイクの後ろにまたがった。先を走る友人のバイクに追いついた時、その友人が「3人乗りかよ」と声をかけてきた。

タイの暴走族


「なんのことだ?」と思ったフォーカス君に、また別の友人がからかうようにこう言う。「緑のシャツの女、かわいいな」。フォーカス君はその時、ゾッとする気配を後ろに感じたという。確かめるのも怖かったが思い切って振り返ると、長い髪を後ろに束ねた女がはっきりと見えてしまったのだ。それと時を同じくして、前を走っていた仲間が急にバイクを停め、激しく嘔吐した。

 その様子から異様なものを感じた彼らは、売春婦の墓に戻って許しを乞うことにした。近くのお寺で線香を分けてもらい、先ほど動画を撮影した場所に行き、火をつけた線香を地面に刺そうとする。しかし、土は柔らかいのに線香をはじき返し、全く刺さらなかった。仕方なく、近くにあった木の台に置いて帰ろうとした時だった。風もないのに、全ての線香がその台から転げて落ちてしまったのだ。少し嫌な気はしたが、それ以上できることもなく、これで大丈夫と自分たちを言い聞かせてその日は宿に戻った。

 しかし、売春婦の墓の霊がそんな簡単に彼らを許すはずがない。

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