熊野の地底に「南海トラフ巨大地震を引き寄せる」謎の塊が埋まっていた! 政府は早急に調査せよ!

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イメージ画像:「Getty Images」

■南海トラフ巨大地震発生の条件

 過去の記事で何度も解説してきたように、元気象庁・岡田正実氏や筆者独自の研究から、黒潮大蛇行(黒潮が西日本の南岸で大きく南へ蛇行する)の存在が確認された19世紀以降に発生した南海トラフ巨大地震は、すべて黒潮の「非大蛇行期」(直進期)に発生していることがわかっている。このことから、黒潮大蛇行が引き起こす潮位の変化などが、巨大地震の発生を抑制している可能性が考えられる。しかも、巨大地震は7月〜12月の期間に起きていた。

 そして今回わかった熊野プルトン周辺の状態と、黒潮大蛇行の状況を併せれば、地震の発生を事前に予測するための大きな一歩を踏み出すことになるのではないか。南海トラフ巨大地震の発生に関する新たな判断基準をまとめると、以下のようになる。

(1)黒潮の非大蛇行期である。
(2)7月~2月の期間である。
(3)熊野プルトンの地下で地殻のひずみがたまっている。

 現在(1)に関しては黒潮の動きに少々不穏な点が見られる。というのも、2月中旬に黒潮大蛇行の渦が南端でちぎれ、残った渦が「非大蛇行期」の状態に近くなっているのだ。下記、海上保安庁発表の「海洋速報」(2月17日)の図では、ちぎれた部分が青色の円として描かれている。

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海上保安庁「海洋速報」より引用

 もっとも、JAMSTEC(海洋開発研究機構)が2月18日にYouTubeで公開した最新の黒潮「長期」予測では、このちぎれた状態はいずれ復活し、黒潮大蛇行はまだ続くだろうとしている。だが、それでも安心できないのはその一つ前、2月10日発表の黒潮「長期」予測のYouTube動画では、「ただし4月には黒潮が紀伊半島に近づいたり、八丈島の南を通るなど、典型的な大蛇行でなくなる予測になっています。この傾向が続く場合にはすぐにではなくとも大蛇行が終息に向かう可能性もあります」と、ゆくゆくは大蛇行の終了の可能性もあるという含みをもたせた表現になっているのだ。

 このような差し迫った状況の中、日本政府が今回の研究の重要性を深く認識して、国家予算を投じて研究を助成することによって、多くの人命が助かる可能性があるのだ。そのため、一刻も速い研究の開始を希望する次第だ。

参考:「Insttitute for Geophysics, The University of Texas」、「science alert」、「The Daily Mail」、「Daily Express」、ほか

文=百瀬直也

超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。
Webサイト:百幸.com
ブログ:『探求三昧』
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Twitter: @noya_momose

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