ロシアがひた隠す謎の最恐物質「レッドマーキュリー」とは!? 世界の諜報機関が探し求める“赤い水銀”の行方
■レッドマーキュリーの行方を追え!
ふたたびコーエンによれば、旧ソ連の時代、大きさが野球のボールくらいの核兵器も製造されていたいう。
レッドマーキュリーが世界的な注目を浴びたのは、1991年のソ連崩壊直後のことであった。旧ソ連がいくつもの国家に分裂するという混乱の中で、同連邦内だけに秘匿されていたレッドマーキュリーがその圏外、特に核兵器保有を目指すイランやイラク、リビアといった諸国に流出することが懸念されたためだ。
上記のイスラム諸国と敵対関係にあるイスラエルは、レッドマーキュリーがこうした国々に流出することを本気で恐れていたようだ。イスラエルの情報機関モサドは、各地のエージェントに「レッドマーキュリーを追え」という指令を出した模様で、この時期、世界各地に配置されたモサドの諜報員が任国の情報機関に対し、レッドマーキュリーとはどんな物質なのか、旧ソ連の外にこの物質が流出したという事実はないのか、について可能な限り詳細な情報を求めていたという事実がある。
実際、世界のブラックマーケットでは、レッドマーキュリーと称する物質の売買がもちかけられたことが幾度もある。価格は1キログラムあたり10万ドルから50万ドルという高額であり、取引の途中問題の物質が押収された例も多い。
では、押収された物質はどのようなものだったのだろうか。
それらは純粋な水銀や、水銀とアンチモンの化合物、ヨウ化水銀や酸化水銀、シアン化水銀、さらには水銀をマニキュア液で赤く着色したものなどであった。つまり、いずれも通常の物質で、核融合を促進するような機能は持っていないのである。
つまるところ、レッドマーキュリーなるものが実在するという証拠は、今のところ得られていないのだ。
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