凶悪犯罪者を死刑の代わりに昏睡状態に…!? 哲学者が提唱する「昏睡刑」の意外なメリット

次に、ベルショウ氏は死刑の代替案を考え、犯罪者を不可逆的な昏睡状態にするという刑の可能性を論じる。不可逆的な昏睡刑では、犯罪者の意識は完全に失われるが、それ以外の生命機能は病気や老衰で死ぬまで維持される。しかし、この代替案は死刑が有する問題点を克服できないだけでなく、死刑よりも費用がかかるので現実的ではないという。
そしてもう一つの代替案が、犯罪者を可逆的な昏睡状態にするという刑である。この刑では、犯罪者はいつでも意識を取り戻して人生を再開できる。冤罪が判明した場合、昏睡状態で失われた時間の補償を受けられる。また、95歳で死刑になるよりも25歳で死刑になる方が失われる時間が長いというように、死刑には年齢による不公平感があるのに対して、可逆的な昏睡刑は昏睡期間を細かく制御できるため、どのような犯罪にも適用できる可能性を秘めており、平等に時間を奪うという点で公平だという。懲役刑でしばしば起こる虐待を回避できるなどのメリットもある。
ベルショウ氏が提案する昏睡刑に生理的嫌悪感を抱く者も少なくないだろう。しかし、科学技術や価値観の変動が激しい現代において、「死刑に代わる刑罰は懲役刑しかない」という固定観念を見直すきっかけとして、昏睡刑について議論してみる価値があるのかもしれない。
参考:「Punishment and the Body」「Big Think」「Death Penalty Information Center」ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊凶悪犯罪者を死刑の代わりに昏睡状態に…!? 哲学者が提唱する「昏睡刑」の意外なメリットのページです。死刑、刑務所、昏睡、懲役刑などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
UFO・宇宙人最新記事
人気記事ランキング05:35更新
- ・NASA内部告発者が警告する宇宙開発の“危険な”未来
- ・謎の「黒いピラミッド型UFO」が出現
- ・誰でも“時間を引き伸ばす”能力を持っている?科学が解き明かす「時間拡張体験」の謎
- ・ホーキング博士の予測は正しかった!
- ・鬼火(ウィル・オ・ザ・ウィスプ)の正体、ついに解明か?
- ・“エイリアンの秘密基地”とされるポポカテペトル山で謎の発光体が乱舞
- ・UFOに乗っているのは“高次元の地球人”だった!?宇宙人でも平行世界の住民でもなく… 識者が提示する「6つの証拠」
- ・歴史の常識を覆す!? 5冊の“禁断の書”
- ・「Wow! シグナル」、発信源は恒星間天体「3I/ATLAS」だった?
- ・中国に“世界で最も高い橋”が完成 ― 東京スカイツリーに匹敵の高さ
- ・NASA内部告発者が警告する宇宙開発の“危険な”未来
- ・謎の「黒いピラミッド型UFO」が出現
- ・誰でも“時間を引き伸ばす”能力を持っている?科学が解き明かす「時間拡張体験」の謎
- ・ホーキング博士の予測は正しかった!
- ・鬼火(ウィル・オ・ザ・ウィスプ)の正体、ついに解明か?
- ・“エイリアンの秘密基地”とされるポポカテペトル山で謎の発光体が乱舞
- ・UFOに乗っているのは“高次元の地球人”だった!?宇宙人でも平行世界の住民でもなく… 識者が提示する「6つの証拠」
- ・歴史の常識を覆す!? 5冊の“禁断の書”
- ・「Wow! シグナル」、発信源は恒星間天体「3I/ATLAS」だった?
- ・中国に“世界で最も高い橋”が完成 ― 東京スカイツリーに匹敵の高さ