自殺を犯罪にしたら“子殺し”事件が大量発生して…!? 自殺と殺人にまつわる深~い歴史的経緯を亜留間次郎が解説!

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【薬理凶室の怪人で医師免許持ちの超天才・亜留間次郎の世界征服のための科学】

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画像は「Getty Images」より

●自殺は犯罪

 中世欧州では自己殺害(felo de se)という法理により自殺は自分を殺害する犯罪行為とされていました。

 教会などの宗教団体も「自殺したら地獄に落ちる」と言って自殺を禁止していました。

 17世紀以前は英語で自殺を「self murder」「self killing」「self slaughter」と呼んでいてたのは殺人罪の一種だったからです。

 犯罪なので当時の慣例により自殺した人の財産は没収され、遺族は遺産相続できません。墓地もちゃんとしたところに埋葬してもらえず、犯罪者用墓地に埋葬されます。

 イギリスでこの法律が廃止されたのは1961年と近代で、欧州では多くの国で第二次大戦後まで残っていました。

●自殺罪のセキュリティホール

 自殺が犯罪だった16世紀~18世紀にかけて、自殺したら地獄に落ちると徹底して言い続けたスウェーデン国教会ではとんでもない宗教脱法行為が横行しました。

 アウクスブルク信仰告第12条「改悔」に「洗礼後罪を犯した者は悔い改める時はいつでも、罪の赦しを得る。また教会は、赦罪宣言を与えるべきである」と書かれているので、犯罪者に対して「自分の罪を告白して悔い改めた死刑囚は天国に行ける」と説いていました。

 そして、当時のスウェーデンの法律では子供を殺すと斬首刑になりました。

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画像は「Getty Images」より

 ここから導き出された教会法の脱法行為が横行してトンデモないセキュリティホールが出来てしまったのです。

1.抵抗できない幼い子供を殺して逮捕される
2.改悔して赦される
3.死刑になる
4.天国に逝ける

 こうして18世紀のスウェーデンでは子供を殺害した動機の第二位が「天国に行ける自殺」になってしまいました。

 ちなみに、第一位は未婚の母が社会から不貞を追求されるのに耐えられなくなって自分の子供を殺害するケースでした。

 なんと、当時のスウェーデンの首都ストックホルムで起きていた殺人事件の半分以上が子供を殺した女性というありさまでした。

 1740年に処刑されたクリスティーナ・ヨハンスドッターという女性は死んだ婚約者に天国で再会するために天国に行ける自殺手段を考えた末に、当時、知れ渡っていたセキュリティホールを利用して友人の子供を借りてきて斧で斬首して死刑になりました。

 1754年に法律のセキュリティホールを塞ぐパッチをあてようとして厳罰化がはかられ、自殺するための殺人は広場の恥の柱に2日間拘束して晒し者にして、頭に子供殺しの犯罪者である入れ墨が彫られ、鞭打してから、絞首刑にされるようになりました。

 ところが、事件は全く減りませんでした。

 その後、1771年にグスタフ3世の治世になると優しい王様は死刑を減らしました。

 その中で子供を殺した女性は終身刑に減刑され、自殺目的の殺人が出来なくなりました。

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