「地球平面説」は死んだ。しかし「宇宙平面説」はガチだった! 時空を超え永遠に平たく伸びて… 天文学者が指摘
地球は平面の巨大な円盤なのだと主張する「地球平面論者」は苦しい立場に立たされているように思えるが、ではさらに視野を広げて、この宇宙の場合はどうなのか? 著名な天体物理学者によれば、宇宙のほうは平面で間違いないという――!
■宇宙は平坦で無限で時空を超えて永遠に伸びている
この広い世の中(!?)には地球は平面であるという地球平面説を説き続ける地球平面論者(フラットアーサー)が実際に存在し、「地球平面協会」なる団体もある。
驚くべきことに根強い支持を受けている地球平面説なのだが、地球が平面であることを証明するために自家製ロケットに搭乗した地球平面論者の男性が墜落事故で死亡する事故が起きるなど、最近はなかなか苦しい立場に追い込まれているともいえそうだ。
地球をはるかに超えるスケールの話としては、宇宙の形状も時折話題になる。はたして宇宙は丸いのか、それとも別の形をしているのか?
米ニューメキシコ州で行われている天体観測プロジェクト「バリオン振動分光サーベイ(BOSS)」が提供するデータの分析によれば、“宇宙は平ら”であるというから興味深い。
BOSSの望遠鏡は宇宙にある120万の銀河をマッピングし、それらの位置を1パーセント以内の誤差で特定した。こうして作成された天体図は宇宙のごく一部に過ぎないが、それでも宇宙が大規模なスケールでどのように機能するかについて多くのことを教えてくれるのだ。この正確な測定により、科学者は宇宙が「非常に平坦」かつ無限であり、時空を超えて永遠に伸びていることを確認することができたという。
可能性として、宇宙は3つの形状をとり得ると考えられていた。その3つとは「閉じた(closed)」、「開いた(open)」、「平らな(flat)」である。
「閉じた」宇宙のサイズは有限であり、その曲率のために、一方向に十分遠くまで移動すると、開始点に戻る。
一方で「開いた」宇宙と「平らな」宇宙は無限であり、一定の方向に移動しても同じ点に到達することはない。
こうしたことを考慮して、120万の観測可能な銀河のいくつかが発する光が見せる振る舞いに研究者たちは着目。そして、それらの光が互いに“永久に平行のまま”であることを突き止めたのだ。つまり、宇宙は平面であったことになる。
■宇宙は「メビウスの帯」なのか?
「私たちが気にかけることの1つは、“平らな”宇宙が、無限であるかどうかという点です」と、米国エネルギー省ローレンスバークレー国立研究所物理学部門のメンバーであるデビッド・シュレーゲル氏は語る。
「それが決して終わらないと確実に言うことはできませんが、宇宙は空間を通して永遠に広がり、時間を通して永遠に続く可能性が高い。私たちの結果は、無限の宇宙と一致しています」(デビッド・シュレーゲル氏)
幾何学的に宇宙は平面であり、平行線は永遠に平行のままであることが示唆されているのだが、この話題をとりあげた「Anomalien.com」の記事によれば、だからといってそれは宇宙のトポロジー(位相幾何学)については教えてくれないという。宇宙は、18の異なる形を持つことができると確信している科学者もいるということだ。
そして宇宙は、空間が曲がったり歪んだりする「メビウスの帯」形状の可能性もあるという。この場合、線は平行のままで、最終的には空間の一方の端がもう一方の端に接続される。つまり、宇宙のある地点から始めて直線的に移動することはできるが、元の場所に戻ることになる。ということは宇宙は平面でありながら有限ということになるだろうか。
“平面説”に有利に傾いているともいえるが、宇宙がどのような形状をとっているのか今後もまだまだ議論は続きそうだ。
参考:「Anomalien.com」、ほか
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