“プーチンの頭脳”ドゥーギンの娘爆殺をめぐる恐ろしい謎とは? 逃走経路、奇妙な追悼文… 今後の展開をジェームズ斉藤が解説!

【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】

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イメージ画像:「Getty Images」

──先週の土曜日、ロシアの精神的支柱であり、プーチンの頭脳とまで言われたアレクサンドル・ドゥーギンの娘が殺されましたね!

ジェームズ斉藤(以下、ジェームズ)  はい。すでにメルマガのほうでは速報を2本を書いています。とても不可解な事件です。

──ドゥーギンの車に娘が乗ったところで爆破炎上ですから明らかにテロだと思うんですが、たぶん、この事件の重要性ってロシアの専門家か、ジェームズさんのメルマガを読んでる人じゃないとわからないと思うんですね。

ジェームズ  ロシアではすでに大きなニュースになっていますし、今日23日にはダリヤ(・ドゥーギン)の追悼式が大々的に行われています。

──もう追悼式ですか!?

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ナターリヤ・パヴローヴナ

ジェームズ  追悼式どころか、犯人ももう特定されて顔写真やIDまで出ています。犯人は1979年生まれのウクライナの特殊部隊員で、名前はナターリヤ・パヴローヴナです。ミニクーパーに乗ってロシアに入国したのは先月の23日で、すぐにダリヤが住むアパートを契約して24時間監視していたようです。そして事件当日の8月20日、ドゥーギン父娘がロシアの右翼の祭典である「伝統フェスティバル」で講演している時に、ドゥーギンの車にIED(即席爆発装置)を仕掛けて逃走したようです。

──ドゥーギンの車ということは、狙ったのはドゥーギンということだったんですか?

ジェームズ  そう言われてもいますが、娘のダリヤのほうも極右の論客として有名で「ウクライナ人を殲滅せよ」といったことをロシアの国営放送で言っていますから、標的の一人だったと思います。ダリヤはドゥーギンの車に同乗していたので2人を狙ったというのが普通ではないかと言われています。私はそこには疑問を持っていますが。

──なにか引っかかるんですか?

ジェームズ  はい。しかし、それはあとでお話しします。ともかくドゥーギン父娘は講演を終えて2人で帰ろうとしたのですが、車に乗る直前になってなぜかドゥーギンは会場に残ることになります。それでダリヤは1人で車に乗ってエンジンをかけるのですが、その直後に車は爆発炎上したのです。

──ということは、ドゥーギンは目の前で娘が爆発炎上するところを見ているんですか?

ジェームズ  見ているでしょう。本人の追悼文にもそう書いてあります。

──さすがにショックだったでしょうね。

ジェームズ  それはどうでしょうか? ドゥーギンは日曜日、つまり事件の翌日に追悼文を出しているのですが、それがこんな内容なのです。

「(機械翻訳)ご存知のように、ナチス・ウクライナ政権によるテロ攻撃の結果、8月20日、モスクワ近くの伝統祭から戻ったとき、娘のダリア・ドゥギナが目の前での爆発によって無残に殺されました。

 

 彼女は美しい正統派の少女であり、愛国者であり、軍事特派員であり、中央チャンネルの専門家であり、哲学者でもありました。彼女のスピーチとレポートは常に深遠で、根拠があり、抑制されています。彼女は決して暴力や戦争を求めませんでした。

 

 彼女は新星でした。ロシアの敵は意地悪く、こっそり彼女を殺した……。

 

 しかし、私たち、私たちの人々は、そのような耐え難い打撃によっても壊れることはありません。彼らは私たちの意志を血まみれの恐怖で打ち砕こうとしていたのです。しかし、彼らはそれを成し遂げられません。

 

 私たちの心は、復讐や報復以上のものを切望しています。あまりにもささいなことです。勝利だけが必要です。私の娘は処女の命を祭壇に置いた。だから勝ってください!

 

 私たちは彼女を賢くヒーローに育てたかったのです。

 

 私たちの祖国の息子たちに、今後もその偉業(勝利)を推し進めてもらいましょう。

 

 ダリア・ドゥギナ(プラトノワ)との別れは市民の追悼式であり、8月23日の午前10時からオスタンキノ・テレビジョン・センター(モスクワ)で行われる」

──ちょっと娘を失ったばかりの失意の父親という感じではないですね。

ジェームズ  そうなのです。ドゥーギンは「単なる復讐ではなく、戦勝が必要だ」と言っているのです。これは明らかに戦争のアジテーション(扇動)です。もちろん、犯人がウクライナの特殊部隊員であったためというのもありますが、それにしても気落ちした感じがあまりありません。

 実は、この事件は他にも不可解なことが多いのです。まず、事件直後から犯人はウクライナのテロリストだと言われていました。そして翌日には犯人が特定されて、やはりウクライナの特殊部隊出身のナターリヤ・パヴローヴナだったことがわかるのです。彼女の乗っていたミニクーパーのナンバーが3回変わったことまで判明しています。ロシア入国時にはDPR番号-E982XH DPR、モスクワにいる間はカザフ番号-172AJD02で、エストニアへの出国時にはウクライナ番号-AH7771IPを使用していました。

──では現在、犯人はエストニアにいるんですか?

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