“置いたハイヒール”を見つめながら殺害…! 重度の靴フェチ男を殺人鬼に変えた欲求不満の背景とは?=英
精神医学における「フェティシズム」は変態性欲や性的倒錯の一種とされる。米精神医学会『精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)』では、長期(少なくとも6カ月以上)にわたって生命のない対象物に対する強烈な性衝動などが持続・反復し、これによって苦痛や何らかの障害を引き起こしている場合をフェティシズムと定義する。
客観的に「フェティシズム」と考えられる行動でも、本人がそこから快楽を得る一方で日常生活に困難をきたしていないなら、それは治療の対象とならない。しかし、こうした行動が犯罪に発展した場合、治療が必要となり、時として厳罰を課せられる。
イングランド北部ウェスト・ヨークシャーのウェイクフィールドで1990年代に発生した殺人事件は、加害者が重度の靴フェチであるため注目を集めている。
■靴を見つめながら性的暴行
クックリッジに住む印刷業者の男、クリストファー・ファロー(39)は、1994年3月にウェイクフィールドで、2児の母親であるウェンディ・スピークスさん(当時51)を殺害した。
ファローは当初、バーテンダーの女性(当時24歳)に性的暴行を加えようと計画していた。数日間ストーキングし、彼女の家に侵入しようとしたが失敗したという。
次にファローはターゲットをスピークスさんに切り替え、彼女の自宅の玄関先で会話を交わした直後、彼女を2階の寝室に無理やり閉じ込めた。そして、彼女に猿轡を噛ませ、黒いストッキングで両手を縛ると性的暴行を加えた。
行為の最中に靴を見ることで興奮を覚えるファローは、家の中を探して黒いハイヒールを見つけ、それを近くに置いてスピークスさんを強姦した。そして、彼女の背中と肩を9回、首を2回刺して殺害したが、その前に別の靴を彼女に履かせていた。
■仮釈放を認められず
警察は、スピークスさん殺害の犯人を捕まえるため大規模な捜査を実施し、何千人もの男性に対してDNA検査を行った。ファローは、1996年に飲酒運転で逮捕された際、指紋を採取された。この指紋が犯罪データベースに登録されている指紋と照合され、スピークスさん殺害事件で採取された指紋と一致することが確認された。また、ファローのDNAは犯行現場で見つかった血液に含まれるDNAとも一致した。
こうしてファローは逮捕され、2000年にスピークスさん殺害、性的暴行、強盗未遂などで有罪判決を受け、終身刑を言い渡された。ファローは、当時パートナーとセックスレスだったことが性的暴行の動機であると証言した。彼は2018年に仮釈放の資格を得たものの、仮釈放委員会によって仮釈放すべきではないと判断された。2年後の2020年にも同様の判断を下された。
仮釈放委員会の文書によると、ファローは「欲求不満と怒りの感情につながる男女関係」を経たことで性行為のことばかり考えるようになり、さらに「すべての女性に対する否定的な見方」を強めた結果、暴行と殺人に至ったという。刑務所でのファローの行動には特に問題はなく、性犯罪を治療するためのプログラムにも参加してきたという。しかし、彼の保護観察官らは「現時点では釈放を支持できない」と述べ、再犯のリスクをなくすにはさらなる治療が必要であるとの見解を示した。
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