本物の占い師が備える3つの特徴とは? 宗教研究者「オラクルさむ」インタビュー(後編)
――つまり「当てる占い師」の特徴とは?
さむ 当てる占い師は、①後ろに何かが憑いている、②既存の宗教などを利用して自己権威を高めない、③具体的な名前や日付のレベルで当てに来る、といった特徴があります。
もはや占い師ではなく予知能力者と呼ぶべきかもしれません。
――どういうことですか?
さむ 「占い」は近代科学以前の体系知・宗教的体験知から可能性を予見し、提示するものです。一方、未来予知は未来の出来事の可能性ではなく、実現する事実の宣言ですから全く違います。この意味で、私は未来予知はできませんし、しませんね。
――未来の可能性を提示するに過ぎないなら、占いに頼る意味はあるのでしょうか?
さむ 「占い」は天気予報みたいなものだと思ってください。雨が降っても傘をさし乗り物にのって人は目的地に到着します。また快晴でも水分補給を忘れると熱中症で倒れます。同様に、どんな運勢や相性や未来が予見されたとしても、人間の意志と努力はそれに対抗することができます。どんな占術にも例外が存在します。
何よりも、いまだ不確定の未来よりも、すでに存在する願い、来歴、欲望のほうが強い。占いは人間の意志と努力に吹く風のようなものです。逆風でも順風でも人は前に進めます。占いは風見鶏、風を利用して前に進むのが人間の知恵と勇気なんです。まずは一歩踏み出すことから始めてほしい。その行動が、たしかな未来の基礎となっていくんです。
オラクルさむ
託宣カード読み。米国修士/京大院 満期退学、英語可。なぜ占いが当たるのかを知りたい。呪いのためではなく祝福のために。宗教学、かじってます。Twitter:@oracle_sam2022
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2024.10.02 20:00心霊本物の占い師が備える3つの特徴とは? 宗教研究者「オラクルさむ」インタビュー(後編)のページです。占い師、オラクル、未来予知などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで