「ロシアは弱い核兵器を使わない」 最強水爆“ツァーリ・ボンバ”級核でウクライナを完全破壊か?(ジェームズ斉藤)
ジェームズ クリミア橋爆破直後に一気にロシアがミサイルを撃ち込み始めましたよね。つまり、一連のテロというのはエスカレーションをするための口実になっています。ロシアで動員がかけられたのが9月21日、ドゥーギナが自爆テロで殺されたのが8月20日で、ちょうど1カ月後です。「動員をしろ」というのはずっとドゥーギンが言っていたことなんですね。結局、いろんなものをエスカレートさせるためにこういったテロが仕掛けられています。
──段階的に行くように踏んで、気づけば、キエフにミサイルが打ち込まれるまで戦争はエスカレートしていましたね。
ジェームズ なのにアメリカもNATOも動いていませんから。
──世界もなんとなくそれを受け入れています。
ジェームズ これが狙いです。洗脳におけるプライミングの如く、世界の世論もプーチンによって完全に慣らされてきています。この間の四州併合の時のプーチンの演説で「アメリカは広島、長崎に原爆を落としたことによって核使用の前例を作った」と言っていたんですよ。これはどういうことかというと自分も使いたいんです。
──前例って言ってるんですもんね。
ジェームズ アメリカが前例を作ったんだから、我々が使えないのはおかしいっていうことです。いつからロシアは核兵器も使えないショボい国になってしまったんだっていう怒りの感情ですよ。だから、使いたいんですよ、最初から。
──ともかく使いたいのか。
ジェームズ そこを理解しないとこの戦争も核の使用も見えてきません。私は昔、モスクワの赤の広場で行われた戦勝記念日の軍事パレードに出席した時の、ある光景が忘れられません。あの軍事パレードで一番盛り上がったのはロシア兵が出てきた時ではなく、ロシアが持っている核を搭載したICBMが登場した時なんですよ。あれこそが大国の証だって熱狂するんですよ、国民が。私のすぐ横にいたある年配のロシア人バーブシュカ(お婆さん)などは「戦勝記念日」という有名なロシア軍歌を興奮のあまり高らかに歌っていました。ロシアのICBMで欧米が焦土化するイメージがロシア人の母性本能をくすぐるのか、とその時悟りました(苦笑) 。戦前の日本の兵隊さん万歳みたいな感じです。ロシアの場合は兵隊さんに対して熱狂すると思いきや、兵隊さんには熱狂せずに、核兵器、ICBMを搭載した車両に対して熱狂したんですよ。「核兵器=戦勝の兵器」というカルト信仰に近いものになっています。これがロシア人の国民感情ですから。
──核兵器が神格化している感じですね。
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