フォトショ以前のコラージュ写真と戦前の犯罪現場写真集! 驚異の陳列室「書肆ゲンシシャ」が所蔵する奇妙な本

藤井 そこまで詳しく調べてないので、メンバーなどもよくわからないですね。ちゃんと調べれば、いろいろ出てくるのかもしれませんが。

――ちなみに、この本はどこで入手されたんですか?

藤井 神保町の古書店ですね。3〜4万円ぐらいで購入しました。

――やっぱり、結構な値段がするんですね。

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『刑罰及変態性欲写真集(Die Bilder über Die Strafe und Abnormer geschlechts trieb)』(犯罪科学研究同好会)

藤井 非売品ということもあって、数が少ないからですね。同じく1930年の非売の本で、犯罪科学研究同好会が出している『刑罰及変態性欲写真集(Die Bilder über Die Strafe und Abnormer geschlechts trieb)』があります。

――検索すると、犯罪科学研究同好会って、結構いろんな本を出していますね。柳沼沢介や伊藤隆文といった、だいたい同じような人たちが編集しているようです。

藤井 『刑罰及変態性欲写真集』には、海外の拷問の絵や、実際に処刑に使われたギロチン、日本の古い拷問石や十字軍時代の貞操帯などの写真が掲載されています。この本の最後のほうには、画家の伊藤晴雨の緊縛写真や、「責めの研究」という有名な文章が載っています。

――これ、もはや“犯罪”ではなく“サブカル”ですよね? 1930年代の日本にも、こうした写真を残す文化あったんですね。

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