瞼の上あたりに「洗脳のツボ」がある?サルへの実験で嫌いなものを好きにさせることに成功

 米ワシントン大学医学部の研究チームが、サルを使った実験によって、眼窩前頭皮質の神経細胞の活動に介入することで、好みの傾向を操ることができることを立証した。サルと人間の脳は非常によく似ていることから、我々のあらゆる種類の選択の根底には、眼窩前頭皮質で計算された価値が深く関係している可能性があるとのこと。神経細胞に影響を与える手段が発見された場合、マインドコントロールが現実のものになるかもしれない。

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※ こちらの記事は2020年11月22日の記事を再掲しています。

 レストランでメニューを眺めている時、どの一品が魅力的に見えるのかは人それぞれだ。しかしこの時、脳に電流を流すと好みのメニューが変わることがサルを使った最新の研究で報告されている。二者択一の局面において、どちらを選ばせるのか“技術的に”操ることが可能なのである。

■“主観的価値”の解明の糸口が見つかる

 その商品やサービスにどれだけの原材料と労力が投入されているかで客観的な価値が決まってくるものだが、消費者個々が必ずしも客観的な価値が高いほうを選ぶとは限らない。そこには主観的な価値観が多分に影響するからだ。

 主観的な価値観は実に複雑なプロセスを経て形成されるものであるが、科学的にわかっていることもある。それは好ましいオプションを提示されている時、ちょうど目の少し上にある脳の眼窩前頭皮質(orbitofrontal cortex)の神経細胞の活動が顕著になることである。

 この発見は2006年にハーバード大学医学部の研究チームによってもたらされたのだが、今回、ワシントン大学医学部の研究チームが「Nature」(11月2日付)で発表した研究ではそこからさらに1歩進んで、サルを使った実験で眼窩前頭皮質の神経細胞の活動に介入することで好みのオプションを変えられることが報告されている。

 オプションがどのように評価され、脳内で選択されているのかを詳細に理解することは、依存症、摂食障害、うつ病、統合失調症などの状態にある人々の意思決定がどうしてうまくいかないかを理解するのに役立つ。

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画像は「Unsplash」より

「多くの精神障害および神経精神障害では、患者は一貫して悪い選択をしますが、その理由は正確にはわかりません」と、神経科学、生物医学工学者で経済学者でもある論文主筆のカミーロ・パドア=スキオッパ教授は語る。

「今回の研究で、このパズルの重要なピースが1つ見つかりました。選択の根底にある神経メカニズムに光を当てることで、これらの障害についてより深く理解できるようになります」(パドア=スキオッパ教授)

 18世紀の知の巨人、ダニエル・ベルヌーイ、アダム・スミス、ジェレミー・ベンサムは、量、質、コスト、約束されたオファーを実際に受け取る確率などの要素を考慮し、各オファーの主観的価値を計算することにより我々が選択を行っていると説明した。このような脳内での計算メカニズムの解明の糸口が見つかるまでに約3世紀が費やされたことになる。

「主観的価値をコード化するニューロンを発見しましたが、価値信号は選択だけでなく、あらゆる種類の行動を導くことができます。これらは、学習、感情、知覚的注意、および運動制御を導くことができることを証明するために、特定の脳領域の価値信号が特定の選択を促すことを示す必要がありました」(パドア=スキオッパ教授)

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