まさかの寒中水泳で「認知症を予防」できる? 体が冷えると脳機能を向上させるRBM3が活性化!

 寒中水泳で認知症が予防できる可能性があるという驚きの研究が報告されている。その鍵を握るのはクマやハリネズミなど冬眠する動物の隠された“能力”にあるという――。


■“コールドショック”タンパク質「RBM3」とは

 高齢化社会の中において認知症は見過ごすことのできない社会問題となっている。イギリスでも現在すでに100万人以上の認知症患者がおり、その総数は2050年までに2倍になると予想されている。現在の認知症の治療法は限定的であるため、研究者は新たな認知症治療法を各方面で模索中である。

 そして今回、認知症予防のための有望な可能性が浮上してきた。その1つのメソッドは“寒中水泳”であるというのである。

 英・ケンブリッジ大学の英国認知症研究所の「センター」を運営しているジョバンナ・マルッチ教授を中心とした研究チームは、2015年から取り組んでいる研究で、“コールドショック”タンパク質と呼ばれる「RBM3」を特定している。身体が冷える体験を通じて、このRBM3が活性化して脳の神経細胞の接続性が向上するというのだ。

「BBC」の記事より


 クマ、ハリネズミ、コウモリなどの動物が冬眠をすると、脳内の細胞間のつながりが劣化することが知られている。冬眠は究極の“省エネ”で行う生命維持手段であり、脳にもあまり栄養が行き渡らないことから、冬眠中には脳の神経細胞の約20~30%が失われるということだ。

 だが驚くべきは、冬眠から目覚めた直後から劣化した脳が急激に回復しはじめるのだ。この回復のメカニズムを認知症やアルツハイマー病の予防に生かす可能性が有望視されているのである。

 研究チームの2015年の実験で、普通のマウスとアルツハイマー病とプリオン(神経変性)病のマウスをいったん35度以下の低体温にした。こうすることでマウスの脳の状態(接続性)を劣化させたのである。

 その後、再び平熱まで温めると、彼らは普通のマウスだけが神経細胞を再生させ脳機能を回復できることを発見した。一方でアルツハイマー病とプリオン病のマウスは回復できなかった。

 この時、普通のマウスの脳ではRBM3と呼ばれる“コールドショック”タンパク質のレベルが急上昇していたのである。この実験結果により、RBM3が脳機能向上の鍵になる可能性があることが示唆されたのだ。

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