ソ連は「ニオイで人の行動や思考を操る研究」をしていた! 50年前の極秘研究にCIAも注目

 冷戦時代、ソ連が行っていたさまざまな研究をまとめたレポートは興味深いものが多いが、特に1972年の米国防情報局による報告書「Controlled Offensive Behavior – U.S.S.R.(コントロールされた攻撃的行動ーソビエト連邦)」は、その名の通り実際に人間の行動や思考を変える研究が行われていたことを証明している。オルタナティブメディア「Mysterious Universe」から、「匂いと人間の行動の変化」というタイトルのドキュメントに焦点を当てた記事を紹介する。

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※ こちらの記事は2020年10月1日の記事を再掲しています。

 人の行動を変える方法はいくつかあるが、では匂いで人間をコントロールすることは可能なのか? 実は可能であることが48年前の機密文書に記されていた――。

■半世紀前のソ連で行われていた興味深い研究

 アメリカの情報公開法(FOIA)に基づく要求により、かつての機密文書が次々と日の目を見る事態が続いている。そのなかでも興味深いのは、冷戦時代にソ連が行っていたさまざまな研究を傍受して翻訳し、各機関によってまとめられたレポートの数々だ。

ソ連は「ニオイで人の行動や思考を操る研究」をしていた! 50年前の極秘研究にCIAも注目の画像1
画像は「Mysterious Universe」より引用

 その1つに1972年7月にDIA(米国防情報局)のレポート「Controlled Offensive Behavior – U.S.S.R.」がある。レポートではかつてソ連で行われていた、人間の行動や思考を変える方法を検証した研究が紹介されている。その前文は下記の通りだ。

「このレポートは、人間の脆弱性に関するソビエトの研究から利用可能な情報を要約しています。この研究に含まれる情報は、人間の行動に影響を与える革新的な方法の分野におけるソビエトの研究のレビューと評価であり、米国または同盟国要員を保護するための対策の開発を支援することを目的としています。人間の行動の方向転換または無力化の領域におけるソビエトの研究の性質上、この報告はグループではなく個人に焦点を当てています」(レポートより)

 タイトルの通り、この時代のソ連では、攻撃的で反抗的な人物をどのように無能力化し、考えを改めさせることができるのかについて、さまざまな方面での研究が行われていたことになる。具体的には政治的な思想犯を“転向”させたり、極悪な犯罪者を“更生”させることにあったのだろう。

 レポートには1874年から1972年の間にソ連国内で行われたテレパシーによるコミュニケーション、テレキネシスといった超心理学的手法や、生体工学(バイオニクス)、さらに音響、光、色、そして匂いによって人間の行動や思考に影響を及ぼす研究が収められている。

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