未完に終わった天才二コラ・テスラの壮大な夢とは? 空中から全人類が消費する2倍のフリーエネルギーを抽出

 天才発明家、二コラ・テスラは革新的な発明によって未来をどのように変えようとし、何を夢見ていたのか――。

司祭の家に生まれたテスラの波乱の前半生

 セルビア人の両親から生まれた稀代の発明家、二コラ・テスラは交流電気方式、無線操縦、蛍光灯などといった現在も使われている実用的な技術を開発した一方で、「世界無線システム」と銘打たれた全地球的な無線送電システムなどの時代を先取りした技術の実現にも取り組んでいた。テスラの目にはどような未来が見えていたのだろうか。

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ニコラ・テスラ 画像は「Wikipedia」より

 1856年7月10日の夜、ニコラ・テスラはスミリャンの村 (当時はオーストリア帝国の一部で、現在はクロアチア) で産声をあげた。父は地元の教会で奉仕する司祭であった。

 子どもの頃、テスラは父親の跡を継ぐように勧められたが、信仰の道に進むことを頑なに拒否し、科学の道を選んだ。歴史に“if”はないものの、もし彼が信仰に身を捧げることを余儀なくされていたならば、今日の我々の世界はずいぶんと違ったものになっていたかもしれない。

 1875年に学問の道を志したテスラはグラーツに行き、工科大学で電気工学を学び始めた。しかし冒険好きな性格が災いしてギャンブルで借金を重ねて大学を中退してしまう。

 この一件で親族との縁が薄くなり、地元の友人の多くは彼が溺死したと信じていたほどであった。

 いくつかの非正規の仕事をして糊口を凌いだ後、テスラは1880年にハンガリー・ブダペストに上京し、さらにその2年後にフランス・パリに居を移した。そこで彼は運よくゼネラル・エレクトリック社のフランス法人であるコンチネンタル・エディソン・カンパニーの技師の職を得て、電気工学の分野で多くの経験を積むことになる。

 勤務の一方で電気モーターの開発に取り組み、1882年に交流モーターの開発に成功した。

 1884年にアメリカにわたったテスラはトーマス・エジソンの会社で働く機会を得たが、電力事業における見解の違いからエジソンと対立して数カ月で失職する。

 しかしここからテスラ独自の活動が本格的にはじまり、1887年4月には「Tesla Electric Light Company(テスラ電灯社)」を設立し、1888年にはいくつかの電子機器の開発で特許を取得した。こうしてテスラは「我が道を行く」ほうへと舵を切ったのだ。

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「Curiosmos」の記事より

雷を活用するフリーエネルギー技術に着目

 テスラはもっぱら自分の直感に導かれ、数学的計算に依存するのではなく、実験を繰り返すことで発見と発明に漕ぎつけていたといわれている。そして電気産業の発展におけるニコラ・テスラの多大な貢献は称賛に値する。

 陰謀論者によって広められた噂の1つは、テスラがニューヨーク・マンハッタンの彼の研究室で“地震兵器”を発明し、実際に完成させたというものだ。

 しかし、テスラと深い親交のあった作家、マーク・トウェインによればそれは“地震兵器”などではなく、高周波発生器であったという。しかしトウェインにとってはそれも十分に恐ろしいデバイスであった。

 ある日、テスラは実験室にやって来たマーク・トウェインの前で発電機のデモンストレーションを行ったのだが、その間に問題の高周波発生器が作動してしまった。自分の身体が振動して驚いたトウェインはテスラの実験室から飛び出し、その後は二度と研究室に足を踏み入れることはなかったというエピソードも残されている。

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実験室のマーク・トウェイン 画像は「Wikimedia Commons」より

 そして特にテスラが興味を持っていた意外な自然現象があるといわれている。それは雷だ。普通の雷雨の時の雷から放出されるエネルギーは、TNT火薬換算で15キロトンに相当する爆発で放出されるエネルギーと同等であることが知られている。

 平均すると世界では1日に約4万4000回の雷雨が起きており、これは1時間あたり約1800回になる。つまり地球上のどこかで2秒ごとに稲妻の閃光が走っているのだ。そしてその度に地面は7~8千トンのダイナマイトの爆発に等しいエネルギーの直撃を受けていることになる。

 よりわかいやすい想像としては、雷は全人類が1日に消費するエネルギーの2倍のエネルギーを1日に放出していることであり、かつその莫大なエネルギーはすべて未使用のままであることだ。テスラの究極の目標は、この雷をエネルギー源として人類が活用にすることにあったともいわれている。もしかすると生前のテスラは雷を活用するフリーエネルギー技術を実際に開発していたのだろうか。

 テスラの死後、マンハッタンの研究室にあった文書や機器はすべてアメリカ当局によって没収されたといわれている。テスラが取得していた特許も政府に差し押さえられ、発明に関する文書や書簡の多くは廃棄されたともいわれている。

 しかしそこに思わぬ“盲点”があった。セルビア・ベオグラードの「テスラ博物館」には現在、テスラが手がけた15万件もの文書が保管されており、その大半はまだ専門家によって検分されておらず手つかずのままであるという。

 この膨大な数の文書の中にひょっとすると雷からエネルギーを抽出する技術について言及しているものがあるのかもしれない。今後の「二コラ・テスラ研究」がどのような展開を見せるのか注目していきたい。

参考:「Curiosmos」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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