アメリカ大陸最大の一枚岩「トラロックのモノリス」の呪いとは? アステカ文明の人身供養に使用されたか

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 アメリカ大陸最大のモノリスの呪いとは――。古代アステカ文明の雷雨の神を奉る巨大モノリスを発掘して移動させたところ、一帯は猛烈な雨に見舞われたのだった。

超巨大なトラロックのモノリスが発見される

 古代アステカ文明においてトラロック(Tlaloc)は雨と雷の神であり、山頂に住むと信じられている。

 トラロックは大雨、干ばつ、洪水、雹、雷雨、ハリケーンなど、水に関連するあらゆる種類の自然災害を引き起こすことができるとされているが、その一方で人間に対してはおおむね好意的であると考えられている。

 トラロックが人間に好意的な理由の1つには、アステカの人々はトラロックに定期的に人身供養をしており、子ども含む生贄を捧げテスココ湖(Lake Texcoco)で溺死させていたのだ。

 そしてこのトラロックをリスペクトした彫刻が施された巨大な一枚岩であるモノリスが、テスココ湖近くの小さな町、コートリンチャン近くの干上がった川床の茂みの中で1800年代後半に発見された。灌漑用の運河を掘る過程での予期せぬ発見であったのだ。

アメリカ大陸最大の一枚岩「トラロックのモノリス」の呪いとは? アステカ文明の人身供養に使用されたかの画像1
画像は「Wikimedia Commons」より

 トラロックのモノリスは高さ7メートルもある巨大なもので、アメリカ大陸で発見された最大のモノリスであるといわれている。

 学者たちはトラロックのモノリスが作られた時期をまだ正確には特定できていない。ある分析によれば西暦5世紀に建造されたと報告されたといわれているが、別の分析では8世紀に作られたはずであると主張されている。

 1964年、メキシコ当局はメキシコシティで新たにオープンする「メキシコ国立人類学博物館」にこのトラロックのモノリスを設置することを決定した。博物館の入口に設置した雷雨の神で入場客を出迎えることにしたのである。しかしこれは簡単なことではなかった。

 トラロックのモノリスは最も硬い岩の1つである安山岩でできており、重量は167トンにも達していた。運び出すもの運搬するのも容易なことではなかったのだ。

 運び出す前には特別な傾斜路が作られ、運送では横に繋いだ2台のトレーラーの荷台に乗せられた。

 古代の神、トラロックのモノリスの輸送は雨がほとんど降らないメキシコの乾季を選んで行われたのだが、モノリスが長い旅を終えて首都に到着した日、大雨を伴う激しい雷雨が発生し、多くの信心深いメキシコ人はそれを神の“サイン”であると認識した。

 それでも無事にモノリスは博物館に到着して入口に設置され、そのインパクトのある威容で今も世界中の観光客を魅了している。

アメリカ大陸最大の一枚岩「トラロックのモノリス」の呪いとは? アステカ文明の人身供養に使用されたかの画像2
「Curiosmos」の記事より

川に渡された古代の橋の柱であったのか

 以上はトラロックのモノリスの簡潔な歴史であるが、多くの謎はいまだに解決されていない。

 たとえば、167トンの安山岩の一枚岩はどこにあってどこで彫られたものなのか。これまでこの岩の採石場は発見されていない。またアステカ人は車輪がついた荷車は持っていなかったいわれているため、一枚岩の巨石をどのように運搬したのだろうか。

 モノリスは発見時には倒れた状態であったのだが、なぜ倒れていたのか。あるいは倒れた状態で活用されていたのだろうか。

 また彫刻に使用した工具類はどのようなものであったのか。この彫刻はきわめて短期間で急いで作られた形跡があり、その理由もよくわからない。

 さらにモノリスの前面がひどく損傷していることも不自然であり、この被害が人為的なものなのか、自然の風化によるものなのかは不明である。

アメリカ大陸最大の一枚岩「トラロックのモノリス」の呪いとは? アステカ文明の人身供養に使用されたかの画像3
画像は「Wikimedia Commons」より

 そしてモノリスが川床で発見されたこと、および彫像の巨大な背中や上部の「儀式用」の穴があるなどの奇妙な構造を考えると、トラロックのモノリスは川に渡された古代の橋の柱であったという説が示唆されることになる。

 しかしそうであった場合は、当然ながら橋を支えるための複数のモノリスが必要である。しかしテスココ地域では大規模な考古学的発掘調査はまだ行われておらず、同様のモノリスは見つかっていない。とすれば今後調査プロジェクトが始動することがあれば新たな展開が見えてくるのかもしれない。

 アメリカ大陸最大の一枚岩の彫像であるこのトラロックのモノリスの謎に新たな動きが見られることがあるのか気にかけておいてもいいのだろう。

参考:「Curiosmos」ほか

編集部

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