高速回転する超巨大中性子星が0.01秒だけ存在していたと判明! ブラックホール化に抗う最後の意地(最新研究)
数百ミリ秒の間に成し遂げられることは多くはない。しかし、2つのガンマ線バーストの輝きに見られる中性子星にとっては、生と死、そしてブラックホールの誕生について教えてくれるには十分すぎる時間だという。
最近、学術誌「Nature」に掲載された論文で、2つの恒星が衝突した際に残した光の振動に一時停止の痕跡があることが明らかになった。その休止時間は、10ミリ秒(0.01秒)から300ミリ秒(0.3秒)の間と考えられ、2つの新しく形成されたメガサイズの中性子星がブラックホールになることをわずかでも引き延ばすために高速回転していたのではないかと推測している。
「私たちは、軌道上の中性子星が衝突して短いGRB(ガンマ線バースト)が形成され、それらが最終的にブラックホールに崩壊することを知っていますが、その正確な順序はよく分かっていません」と、米メリーランド大学カレッジパーク(UMCP)の天文学者、コール・ミラー氏は言う。
約30年間、コンプトン・ガンマ線観測所は、地球を一周して、遠くの激変現象からこぼれたX線とガンマ線の輝きを集めてきた。この高エネルギー光子のアーカイブには、ガンマ線バーストと呼ばれる強力な放射線を放出する中性子星の衝突などに関する宝の山のようなデータが蓄積されている。研究者らはその中から90年代に観測されたガンマ線バーストを分析した。
中性子星は小さな都市ほどの大きさの空間の中に、太陽の2倍の質量を詰め込んでおり、電子を陽子に押し込んで中性子を大量にまき散らすし、磁場を生じさせる。高速回転する磁場は、粒子をとんでもなく速い速度まで加速し、「脈打つ」ように見える極ジェットを形成することができる。
普通の恒星(太陽の約8倍から30倍の質量)が最後の燃料を燃やし尽くすと、自身の重力に耐えられなくなり、中性子性が形成される。こうしてできた中性子星を2つ組み合わせるなどして、もう少し質量を増やすと、粒子の密集した塊から、ブラックホールの心臓部ができる。
一方、マグネターと呼ばれる磁気を帯びた中性子星、つまり衝突する2つの構成の質量に近い、高い質量の中性子星が存在することが明らかになっているが、この星がどのようにして重力に耐えることができるのかは謎だとされている。
今回の発見は、そのヒントを与えてくれるかもしれないという。
1990年代初頭にコンプトンによって記録されたガンマ線バーストで観測されたパターンは、準周期振動と呼ばれるもので、信号の中で上下する周波数の組み合わせは、巨大な天体が互いに回り、衝突する最後の瞬間を表現していると解読できるという。
衝突によって、現在記録を保持している重量級中性子星(太陽の2.14倍の質量を持つパルサー)よりも20パーセントほど大きな天体が生まれたが、興味深いことに、これらの天体は1分間に78000回という驚くべき速さで回転しており、1秒間に707回転という記録を持つパルサーJ1748-2446adよりもはるかに速かった。
それぞれの中性子星は、ほんの数分の一秒の短い寿命の間に、重力崩壊に対抗するのに十分な角運動量によって、わずかな回転を行うことができたと考えられている。延命は回転によるものだったのかもしれないという。
この現象が他の中性子星合体にどのように適用され、恒星崩壊とブラックホール生成の境界をさらに解明するのは、今後の研究課題とのことだ。
参考:「Science Alert」「Nature」ほか
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2024.10.02 20:00心霊高速回転する超巨大中性子星が0.01秒だけ存在していたと判明! ブラックホール化に抗う最後の意地(最新研究)のページです。ブラックホール、ガンマ線バースト、マグネター、中性子星などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで