ブラックホールが恒星を引き裂き“異常な閃光”を放つ「潮汐破壊現象」とは? 最新研究で明かされた衝撃の事実
今年2月に宇宙で観測された「異常な閃光」の正体が明らかになりつつある。それはブラックホールに握り潰された恒星から飛び出た“ジェット噴射”であったのだ――。
きわめてレアな宇宙現象「潮汐破壊現象」とは
太陽の何倍もある巨大な恒星がその生涯の最期を迎える時のド派手な断末魔が「超新星爆発」である。その爆発はあまりにも強烈であるため、2億光年先で起きた超新星爆発でも観測が可能だ。
この超新星爆発に代表されるような電磁波の強度が急激に増大する天体は「突発天体(トランジェント天体)」と呼ばれ地球上からも観測されている。
2022年2月11日、米カリフォルニア州サンディエゴにあるパロマー天文台が「りょうけん座」の方向で1つの突発天体の「異常な閃光」を検出した。「AT2022cmc」と名付けられたこの突発天体は「ハッブル宇宙望遠鏡」やヨーロッパ南天天文台(ESO)など21の望遠鏡による追跡観測が行われ、約85億光年前に発生した現象であることが判明している。
AT2022cmcは超新星爆発ではなく、潮汐破壊現象(Tidal Disruption Event、TDE)という通過する恒星がブラックホールの潮汐力によって引き裂かれる現象であったといわれている。
いったいどのようなメカニズムで恒星がブラックホールに引き裂かれて「異常な閃光」を発したのか。
恒星が超大質量ブラックホールによって引き裂かれ、エネルギーが突発的に放出されるというきわめてまれな現象であるこの潮汐破壊現象を説明する研究論文が先日、「Nature」と「Nature Astronomy」に掲載されて話題を呼んでいる。今回の知見によって、ブラックホールの特性の解明がさらに進む可能性があるということだ。
研究チームはわかりやすい説明として、「歯磨きペーストのチューブ」を例にあげている。超大質量ブラックホールが恒星である歯磨き粉のチューブをつかんで引き寄せ、その強力な“握力”で握りしめた結果、フタが外れて中身が勢いよく飛び出した現象であるというのだ。
まさに“ジェット噴射”のように勢いよく飛び出した中身(ペースト)の方向が地球に向かっていれば、より観測しやすいイベントとなる。今回検知されたAT2022cmcは約85億光年というこれまでにない遠隔での出来事であったが、幸いにもこの高エネルギーの“ジェット噴射”によって検出が比較的容易になったようだ。
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2024.10.02 20:00心霊ブラックホールが恒星を引き裂き“異常な閃光”を放つ「潮汐破壊現象」とは? 最新研究で明かされた衝撃の事実のページです。ブラックホール、恒星、宇宙などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで