「エクソシスト養成講座」の授業内容とは? 急増する「悪魔憑き」との霊的戦争が勃発か
今夜9時放送の「クレイジージャーニー」(TBS)では、『イタリア・ローマへ原因不明の病を治療…「悪魔祓い」調査の旅』と題して、リアルなエクソシズム(悪魔祓い)の現場が取り上げられる。
過去にトカナでは、カトリック教会の総本山があるバチカン市国で行われているエクソシスト養成講座の概要をお伝えした。一体どんな方法でエクソシストは超自然的な力を身に着けていくのか。今一度その内容を見てみよう。
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※ こちらの記事は2019年7月22日の記事を再掲しています。
読者諸賢ならばお気づきであろう。近年、世界的なエクソシスト不足、悪魔憑き現象の増加が危急を告げている。
新元号「令和」を日本が言祝いだ5月6~11日にかけて、イタリアではローマカトリック教会が「エクソシスト養成講座」を開催した。なんと今回は、正教会、プロテスタント諸派など主要なキリスト教他派からも参加者を募った。講座開始以来14年、初の試みであり、教会内外を問わず議論百出の状態となっている。
昨年は英国BBCなど大手メディアが大々的に報道。世界50カ国250人のエクソシスト候補の神父がローマに集結した。しかし、今回はいわば全キリスト教会からエクソシスト候補が集められたのだ。一体、何が始まるのか。オカルト・宗教の専門家・神ノ國ヲが徹底解説する!
超エリート集団・教皇庁立大学とは?
今回の講座会場は「教皇庁立大学」である。この教皇庁立大学は、将来の教皇や枢機卿、世界各地の大司教となる人物が学ぶ、文字通りカトリック教会総本山の学術機関である。入学者の多くは、通常、難なく数カ国語を自在に操り、古代ヘブライ語とギリシア語、ラテン語も当然のように修得し、さらに複数の言語を扱える能力がある。
従って、本来ここで学べるのは、ごく限られたエリート中のエリートだけだ。それにも関わらず、一週間400ユーロという破格の安さで「エクソシスト養成講座」に参加できるのだ。なお、講座はイタリア語でなされ、英語・スペイン語の同時通訳も行われた。
全キリスト教からエクソシスト候補を招いた理由は、表向きには「エクソシスト不足」となっている。しかし、考えてみれば妙である。すでにプロテスタントにも正教会にもそれぞれの「悪魔祓い」の伝統は存在しているのだ。つまり、今回の動きは、全キリスト教の祓魔力を結集せねばならない事態が生じたことを意味するのではないか。そうとしか考えられない。
エクソシスト養成講座の衝撃の内容
養成講座の一週間の時間割をみると座学中心である。月曜日は、広くキリスト教の伝統から「祓魔術式」を多角的に学ぶ構成となっている。火曜日は、カトリック教会の伝統と神学と他教派とをつなげるための理論的・歴史的内容である。
三日目以降は、より実践的・実務的な内容が続く。水曜日は南米、東南アジア、アフリカにおける実例と実践の報告と検討である。加えて、悪魔崇拝・オカルト・ニューエイジなど現代社会におけるサタニックな事物の概説となっている。
木曜日は、医学的側面に焦点を当てている。実際、エクソシストがまず依頼者に聞く質問は「医者には行きましたか?」である。金曜日は、より実際的な生活や失敗、法的側面についての講義である。とくに注目すべきは「幼児性愛」「児童ポルノ」への言及である。昨今のカトリック教会内部での性的スキャンダルに悪魔が関わっていることが暗に示されている。
最終日は「円卓の祓魔師」として、全キリスト教の連帯が強調されている。すなわちローマカトリック教会は、祓魔術式においても中心地となり覇権を確立しようとしているのだ。
北米で急増する「悪魔憑き」
養成講座の事例研究にみられるように、元々、南米、アフリカ、東南アジアにおいては「祓魔術式」は、キリスト教と現地宗教の対立として理解されてきた。しかし、現在のアメリカではそれ以上の要素がある。もっとも印象深い事件は、2012年「マイアミゾンビ」事件だ。ドラッグ中毒に陥った男が、別の男の顔面75%を文字通り噛み砕き食べたと報じられた。犯人は銃で撃たれながらも息絶えるまで喰い続けた。薬物中毒の結果とされたが、のちに検死によって否定されている。多くの人々が「悪魔憑き」の可能性を指摘しているとおり、今後、宗教間の対立を超えた形で「マイアミゾンビ」のような事件が多発する可能性がある。
すなわち、このような極端かつ強力な「悪魔憑き」に対応するために全キリスト教から招集された精鋭部隊の創設、その舵取りをめぐる政治的争いが、今回の「エクソシスト養成講座」開放なのかもしれない。
新世界秩序を目指す内紛か!?
異常な精神状態と筋力を持ち、極度の薬物中毒とみなされ、文字通り人間を喰う「悪魔憑き」。これと戦う能力を得ることが、今回の養成講座の目的だとしたら本当に心強い。しかし、今回、門外不出の「エクソシスト養成講座」がキリスト教他派とはいえ外部開放されたことは、世界の覇権を握らんとする勢力同士の争いが表面化したのかもしれない。今年、新たに「祓魔術式」の力を得た250人は、それぞれの場所へと散っていった。我々がいつ「悪魔憑き」となるか分からない。さらに悪魔さえ撃退するその力の矛先が、いつ我々に向けられてもおかしくはないのだ。我々に逃げ場はない。
【時間割】
5月6日 月曜日「聖書、司牧、霊性、神学」
9:00-9:15 開会式:学長挨拶
9:15-9:30 全体の挨拶
9:30-9:45 養成講座の概説
9:45-10:00 入門
10:00-11:00 恵みとしての祓魔術、現代社会における「喪失」への慰め
休憩
11:30-12:30 悪魔学概論
昼食
14:30-15:30 祓魔術における司教の役割
15:30-16:30 聖職と聖書における「天使と悪魔」
休憩
17:00-18:00 秘跡的わざとしての祓魔術:神学的・司牧的・霊性的な側面
5月7日 火曜日「正典、典礼、司牧、霊性、歴史」
8:30-9:30 フランスの事例:癒しの祈り
9:30-10:30 解放の祈り:神学的・司牧的な実践
休憩
11:00-12:30 祓魔術の教会法的側面:正典的・典礼的観点
昼食
14:30-15:15 祓魔術の祝福:典礼的実践と信仰の原理
15:15-16:00 祓魔術式の歴史的起源
休憩
16:30-17:30 祓魔師の補佐:準備と義務
17:30-18:30 一般信徒または教会運動に関わる者による祓魔師への支援方法
5月8日 水曜日「教理問答的側面」
8:30-9:30 カトリック教理要綱における悪魔と祓魔術
「事例研究:祓魔術と解放の祈り」
9:30-10:30 ブラジルの事例
休憩
10:50-11:50 フィリピンの事例
11:50-12:30 ナイジェリアの事例
昼食
「人類学、文化、生物学、社会学」
14:30-15:30 祓魔術とニューエイジ運動、全人的療法
15:30-16:30 魔術・オカルト・悪魔的な象徴と儀式について
休憩
17:00-17:30 メディアにおける悪魔的文脈の認知
17:30-18:30 祓魔術に関する研究発表
5月9日 木曜日「心理学、医学、薬理学」
8:30-9:15 精神操作状態の心理学的側面
9:15-10:00 心理学的錯乱と差異の評価判別について
休憩
10:30-11:30 霊的現象とその他の事象の差異による診断
11:30-12:30 精神神状態の改変と身体的取り扱い
昼食
「犯罪と法学」
14:30-15:30 魔術的犯罪に対する警察の防止と鎮圧
15:30-16:30 参照すべき基準と採用方式の反省案
休憩
17:00-18:00 精神操作とその活動、魔術分野の犯罪誘発性、オカルト主義者と悪魔主義者に関する司法
5月10日 金曜日「犯罪学、社会学」
8:30-9:30 悪魔主義とその影響からの解放としての祓魔術
9:30-10:30 オカルト、悪魔儀礼における小児性愛と児童ポルノの使用について
休憩
「司牧的、霊的、神学的であること」
10:45-11:30 悪魔の異常行動の識別
11:30-12:15 ミラノ大司教区における祓魔術式の要望
12:15-13:00 ヴァチカンにおける祓魔術式の要望
昼食
14:30-16:00 祓魔術による宣教の教会的次元と個人的解放のために必須の霊的修養の道
休憩
16:30-17:30 祓魔師の生活、諸選択と数多の失敗
休憩
17:30-18:30 賜物と仲介の識別
5月11日 土曜日
8:30-12:30 円卓の祓魔師 超教派的働きを目指して
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