「エクソシストは悪魔を助けている」 米牧師が警告! 神は取引に応じない?

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画像は「Getty Images」より

 現在、世界では400人のエクソシストが登録されているという。イタリアには240人のエクソシストがいるが、彼らは年間50万件の依頼に対応しているそうなので、なかなか多忙なようだ。

 だが、エクソシストの中には悪魔を追い出しているつもりであっても、実は悪魔の教義を広めてしまっている者もいるようだ、とある牧師が警告を発して注目を集めている。

 この主張を行っているのは、アメリカのネブラスカ州にあるリディーマー・ルーテル教会に所属する伝道師ダン・デルゼル(Dan Delzell)氏。彼によれば、善と悪の戦いでサタンに対抗することで、エクソシストは不注意にも反キリストの影響力を高めている可能性があるというのだ。

 悪魔払いを行うエクソシスト達は「他人のために役立つことをしている」と思っているかもしれないが、それが「神の前で自分を正当化し『天国への入場を得る』ことができると思い込む誘惑からくるものかもしれない」とデルゼル氏は述べる。

「エクソシストになったからといって、天国に招かれることはありません。ただ自分の罪を悔い改め、イエスが十字架上であなたのために愛情を込めて流した血であなたをきれいに洗い流してくれることを信じることによってのみ天国の門が開くのです。悪魔が一部の悪魔祓いに動じないとしても、私は驚きません。サタンはできるだけ多くの悪魔を人に憑依させるよりも、悪意を持って巧妙に多くの人を地獄に案内することを重視しているからです。もし悪魔祓いが、功名心に取り憑かれて悪魔の教義を広めている人物によって行われるなら、サタンはかえって好都合と思うかもしれません。」(デルゼル氏)

 デルゼル氏のアイデアはジャン・カルヴァンが唱えた「予定説」がベースのようだ。予定説とは、「神は全知全能であり時空間を超越しているのだから、神にとって天国に行く人と地獄の行く人はすでに決まっている。であるから、個人が生きている間に天国に行くためにいかなる善行を行っても神の予定を変えることはできない」というものだ。

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 また、「神は取引に応じない」という点も関わっているだろう。エゼキエル書20章3節に「わたしは決してあなたがたの求めに応じない」という言葉がある。「私は十分に善行を積んだ。だから、天国へ行かせてほしい」という要求は神には通用しないということだ。

 一方、16世紀にカトリック教会は免罪符(贖宥状)を発行し、金銭で人々の罪を帳消しにするという取引を行った。これに対し激怒したのがマルティン・ルターである。ルター派のルーテル教会に所属するデルゼル牧師が、カトリック教会のエクソシストらに神学的な欺瞞を感じ取ったのも無理からぬことだろう。

 カトリック教会を代表するエクソシストであるカルロス・マルティンス神父は「悪魔は非常に現実的であるため、憑依した人々が持つことのできない知識を得ることができる」と主張している。そのため、悪魔と近い距離にあるエクソシストもまた、悪魔の知識に触れて堕落してしまう可能性もあるとデルゼル氏は警告している。

参考:「Daily Star」「予定説(Wikipedia)」「贖宥状(Wikipedia)」「日刊キリスト新聞」ほか

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文=勝木孝幸(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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