やはりUMAネッシーはウナギじゃない! 研究論文で判明、有力候補「定常波」とは?
スコットランド・ネス湖で目撃されたとされるUMA(※1)ネッシーが巨大に成長したウナギである可能性はどれほどあるのか――。ある研究者は「ウナギかもしれないが、それほど大きなものではない」と説明している。
ネッシー“ウナギ説”を検証した研究
毎年「土用の丑の日」の前後にはウナギの話題でもちきりになるが、かつてネス湖のネッシーが巨大なヨーロッパウナギである可能性が指摘されたことがあった。
2019年にニュージーランド・オタゴ大学の遺伝学者、ニール・ジェメル教授が率いる研究チームがネス湖で採取した250の水のサンプルに含まれるDNAを分析し「ネス湖に巨大ウナギがいる」可能性は無視できないと言及し、ネッシーの“ウナギ説”の説得力が強まったことがあった。
はたしてネス湖にネッシーの正体である巨大なウナギが生息しているのだうか。
今年7月21日に「JMIRx Biok」で発表された研究では確率論を用いた分析によって、ネス湖にきわめて大きなウナギが存在することは考え難いと結論づけている。
民俗動物学協会(Folk Zoology Society)の研究者、フロー・フォクソン氏をはじめとする研究チームは、ネス湖で体長1メートル以上のウナギは見つかる確率は5万分の1であることを算出し、体長1メートルを超えるウナギを見つけるのは事実上不可能であることを示唆している。
研究チームはネス湖だけでなくヨーロッパ全土の他のさまざまな淡水域から捕獲されたウナギのサイズを分析し、ウナギが一定の速度で成長した場合、1メートルの高さに達するまでにほぼ30年かかるだろうと主張している。
ネッシーは少なくとも全長6メートルはあるのではないかと推測されているが、ウナギが体長6メートルに達するには、200年近くかけて急速に成長する必要があるという。ウナギの平均寿命は20年ほどであることから、6メートルに達するのはまず不可能である。
フォクソン氏はネッシーの正体がウナギである可能性を否定はしていないが、サイズにについてはずっと小さいものであると指摘している。つまりネッシーがウナギであった場合、サイズの誤認が伴っていなければならなくなる。60~70センチのウナギを遠くからネッシーだと見間違えるのはなかなか難しいことだろう。
説得力を増すネッシー“定常波説”
ネッシーの“ウナギ説”はかなり分が悪くなっているわけだが、ほかに有力な仮説はあるのだろうか。
ネッシーは実際には水面の「定常波(standing wave)」であるとの説明も説得力を持ちはじめているようだ。
ネッシーの目撃証言の1つのパターンに、背中に盛り上がったコブのある細長く巨大な生物が水面近くをうねるようにして泳いでいたというケースがある。
サイエンスライターのスチュワート・キャンベル氏は「The Skeptic」に寄稿した記事で、こうしたこぶの目撃例や写真は「ケルビン波(kelvin wake)」と呼ばれる異常な航跡現象の結果である可能性があり、これはネス湖のような「重い船舶が航行する長くて深くて狭い湖に特有」であると説明している。
イギリスの砕氷船タグボート「スコットII」は改造後された後にネス湖で1960年から1991年まで観光クルーズ船として運用されていた。この船が発生させていた定常波が湖の水面の不気味な波の原因であるというのだ。
もちろんネッシーはUMAとして実在するという主張もまだ根強くあり、また大ナマズやチョウザメだとする説もある。ネッシーをめぐって新たな展開があるのか今後も注目していきたい。
参考:「Daily Mail」「The Skeptic」
(※1)UMA(ユーマ、Unindentified Mysterious Animal)とは未確認生物を意味する和製英語。未確認生物とは何世紀にもわたって語り継がれてきた物語や伝説に登場したり、また、今日でも目撃例があるが実在が確認されていない生物のことだとされている。
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2024.10.02 20:00心霊やはりUMAネッシーはウナギじゃない! 研究論文で判明、有力候補「定常波」とは?のページです。ネッシー、湖、ウナギなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで