コイントスは公平でないと判明！ 51%の確率で〇〇が出る、画期的な研究結果！

2023.10.23 07:00 文＝S・マスカラス（TOCANA編集部）

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コイントスは公平でないと判明！ 51%の確率で〇〇が出る、画期的な研究結果！の画像1 — 画像は「Getty Images」より

　物事を決める時に用いられることが多いコイントス。日本ではジャンケンで決めることの方が多いが、後出しジャンケンや相手の癖を読むなどのチートが通用してしまいがちだ。一方、コイントスは2分の1の純粋にランダムな確率を提示してくれる点でより公平と言えそうだ。

　しかし、この神聖なるコイントスが偏った結果を出してしまうことが最新の研究で判明してしまった。

　オランダ・アムステルダム大学の研究者たちが、コイントスのランダム性について長年信じられてきた前提を覆す驚くべき発見をした。この種の研究では最大規模となる35万回以上コインをひっくり返した結果、コインは投げ始めに表になっていた面がトス後も表になる傾向がわずかにあることがわかったのだ。

　わずか1%であるが、統計的に有意な数値として、51％が投げ始めと同じ面が出るという結果だった。この微妙な、しかし驚くべき発見は、コインの反転はランダムで予測不可能な50対50の結果を表すという従来の常識を覆した。

　46種類の異なる通貨のコインを手で裏返し、48人の学生参加者の手のひらで受け止め、着地面を記録。データ収集の過程では、何カ月にもわたって綿密な記録が必要とされ、結果を検証するために、裏返しのセッションがビデオ撮影された。

　コイントスの偏りは、科学者パーシ・ディアコニスによる物理学モデルで初めて予測された。彼の理論によると、コインをひっくり返す物理学的な性質として、コインがぐらぐらと揺れ動くことで、投げ始めと同じ面が出る確率がわずかに高くなるのだという。アムステルダム・チームの計測データは、この直感に反する考えを裏付ける強力な証拠となった。

　この発見が意味するところは、ギャンブルやある種の乱数生成処理など、コインをめくることに依存している活動では、バイアスを考慮して調整する必要が出てくるということだ。

　今後、コイントスをする人は、この偏りを利用して有利になる可能性がある。コイントスの結果に1ドルを賭け（つまり、1ドルを支払って参加し、結果に応じて0ドルか2ドルのどちらかを獲得する）、その賭けを1000回繰り返した場合、コイントスの開始位置を知っていれば、平均19ドルの儲けが期待できる。これは，最適戦略プレイヤーに対する6デックブラックジャックのカジノのアドバンテージ（同程度のベットでカジノは5ドル儲ける）より大きいが，シングルゼロルーレットのカジノのアドバンテージ（平均でカジノは27ドル儲ける）より小さい。研究チームは、その解決策として、コインが高額な賭けの意思決定に使われる場合，コインのスタートポジションを隠すことを提案している。

参考：「arXiv」「Science Alert」「Futurism」