生命の起源は宇宙の“庭師”!? アヴィ・ローブ教授が語る「恒星間天体3I/ATLAS」とパンスペルミア説

生命はどこからやってきたのか? 私たち地球の生命は、この青い星の海で偶然生まれたのか、それとも広大な宇宙の彼方から「種」として運ばれてきたのか。
宇宙空間のチリや小惑星、彗星に乗って生命の種がばらまかれているとするこの考え方は「パンスペルミア説」と呼ばれ、長年一部の科学者たちの間で議論されてきた。故カール・セーガン博士のように「高度な文明を持った宇宙人が、意図的に生命の種をまいたのではないか」と主張する者もいる。
そして今、ハーバード大学の天体物理学者であり、エイリアン探査の最前線に立つアヴィ・ローブ教授が、この壮大な仮説に新たな火を注いでいる。彼が目をつけたのは、昨年私たちの太陽系を驚くほどかすめ飛んでいった謎の恒星間天体「3I/ATLAS」だ。
太陽系をかすめ飛んだ「宇宙の庭師」
昨年、太陽系の複数の惑星に異常に接近し、そのまま飛び去っていった謎の天体「3I/ATLAS」。ローブ教授は数ヶ月にわたる観測データをもとに、この天体がただの石と氷の塊ではなく、宇宙を旅しながら生命のブロック(構成要素)をばらまいていた可能性があると指摘する。
彼は自身のブログで、地球外生命体が彗星の分厚い氷の中に閉じ込められることで過酷な宇宙の旅を生き延び、太陽系内の惑星の近くで解放されたのではないかと推測した。
「それはまるで、タンポポの花が風に乗せて肥沃な大地へと種を飛ばすようなものです」と彼はロマンチックに表現している。
さらに、ローブ教授の仮説は単なる「自然の偶然」にとどまらない。

「自然発生的な起源に加えて、『意図的なパンスペルミア(人工的播種)』の可能性もあります。つまり、星間を旅する“宇宙の庭師”が、太陽系の居住可能な惑星をターゲットにして、生命を受精させるミッションとして3I/ATLASを送り込んだという説です」
たしかに、この天体の軌道が太陽系の居住可能ゾーン(ハビタブルゾーン)の惑星の軌道面と「不自然なほど一致」していたことや、太陽風を切り裂くように大きな破片を噴射していたことを考えれば、誰かが意図的に狙いを定めた「生命のデリバリー船」だったという見方もできなくはない。
エイリアン探査への執念と、迎撃ミッションの提案
ローブ教授といえば、かつて太陽系に飛来した初の恒星間天体「オウムアムア」を「エイリアンの宇宙船」だと主張し、科学界で大論争を巻き起こした人物だ。今回も、観測データが「3I/ATLASは氷と岩でできた彗星である」と強く示唆しているにもかかわらず、彼の「背後にはエイリアンがいるはずだ」という執念は少しも揺らいでいないようだ。
もちろん、彼の「宇宙の庭師」説が科学界ですぐに受け入れられるわけではない。そもそもパンスペルミア説自体が、生命の材料は最初から地球にあったとする主流派の意見と激しく対立している。地球以外の過酷な環境で、生命の種がどうやって生き延びるのかというハードルも高い。
しかし、ローブ教授の仮説は単なる妄想ではなく、私たちに「行動」を促すための壮大な思考実験でもある。彼はブログの最後で、次のように提唱している。
「もし次に3I/ATLASのような氷の天体がやってきたら、無人探査機を表面に激突させる迎撃ミッションを行うべきです。そうすれば、飛び散った物質の成分を分析し、そこに『地球外生命体』が含まれているかどうかを確認できます。もし含まれていた場合、最大の問題は『それが地球の生命と似ているかどうか』です」
「もし似ていたとしたら……地球の生命もまた、宇宙の庭師によって植えられた種だったということになるかもしれません」
私たちが「神」と呼んできた存在の正体は、何十億年も前に地球にタンポポの種を吹き付けた、遠い星の庭師だったのだろうか。次に太陽系を通り抜ける「種まき船」がやってきた時、私たちはついに自分のルーツを知ることになるかもしれない。
参考:Futurism、ほか
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