【未解決】豪州最大のミステリー「首相神隠し事件」とは?中国とCIAに怪しい動き、囁かれる3つの陰謀
1967年、オーストラリアは米国に加担しベトナムと戦争中であった。その最中、12月17日にハロルド・ホルト首相は突如、海で跡形もなく姿を消した――。

■失踪
それは突風の吹く午後だった。ハロルド・ホルト首相を含む5人グループが、オーストラリア、ビクトリア州ポートシー近くのチェビオットビーチを散歩していた。ホルト首相は、元水泳選手で海で泳ぐことを好んだ。
一行には、首相の友人マージョリー・ガレスピーと彼女の娘バイナー、そしてバイナーの恋人であるマーティン・シンプソン、それにアラン・スチュワートがいた。彼らは後に、その日の波は今まで見たよりも高かったと話している。
まず、水着に着替えたホルト首相が海に飛び込み、アラン・スチュワートが続いて海に入った。しかしスチュワートは、足の周りに巨大な引き波が渦巻いているのを感じ、すぐに立ち止まった。
一方でホルト氏はためらわずにそのまま、泳ぎ続けた。グループの一人マージョリー・ガレスピーは後に、警察への声明で次のように述べている。
「私はハロルド(ホルト氏)をずっと、見ていました。すると彼の周りの海面が急に、まるで沸騰するように泡立ち、そして彼の姿が見えなくなりました」(マージョリー・ガレスピー)
そしてその後ホルトは、2度と海から姿を現すことはなかった。
ホルトが消えたのに気付いた一行は崖を登り、高い位置から彼を探した。しかし何も見つからず、一行はパニックになった。
スチュワートが助けを求め、数分以内に3人のダイバーが海に飛び込んだ。しかし、強い引き波とそれによって濁った海水に阻まれ、ほとんど視界はゼロだった。ダイバーは岩を登り、警察と捜索救急隊が到着するまで双眼鏡で海面を捜索した。
1時間以内にヘリコプターが沿岸をホバリングし、安全ロープでつながれたダイバーが、再び渦巻く海に潜って探索した。日が沈むまでに、オーストラリア陸軍、海軍、沿岸警備隊、ビクトリア海軍委員会、航空省などから、200人近くの人員がホルト首相捜索に動員された。
6日間にわたり捜索救助活動が展開されたが、それは全て無駄に終わった。ホルト首相本人はおろか、遺留品すら発見されなかった。2日後ホルト首相は、正式に死亡を宣言された。その後も水死体や人骨など、何の手がかりも出ていない。

■渦巻く陰謀説
オーストラリア国民は、この考えられないニュースに凍りついた。ジョン・F・ケネディ米大統領の暗殺からわずか4年後のことであり、またホルト首相が「オーストラリアはベトナム戦争で米国に加わる」と宣言した矢先の出来事だった。
スパイ活動や諜報活動が盛んな冷戦の最中、ホルト首相の突然の失踪は陰謀説を煽った。
●自殺説
当時、ホルト首相は政治的圧力とベトナム戦争の反対運動の高まりで、国民やメディアから攻撃されていた。またホルト首相は失踪当時、一緒にいたマージョリー・ガレスピーと不倫をしていると広く信じられていた(数年後、ガレスピーは首相との不倫関係を認めた)。こうしたことを苦に自殺を図ったとする説だ。
●米CIA暗殺説
ホルト首相が決定したベトナム戦争への関与に、オーストラリア国民とメディアは、激しい反対運動を繰り広げていた。そのためホルト首相は、ベトナム戦争にオーストラリア軍を派遣することを再考していた可能性がある。CIAは、ホルト首相が米国への支持を取りやめる前に、彼を暗殺したという筋書きだ。
実は、ホルト首相が消えたチェビオットビーチは、通常のビーチではなく軍事施設ゾーンとして封鎖されていた場所である。しかし首相には、ビーチにアクセスする権限があった。
また一国の首相の死にもかかわらず、「事故死」が素早く宣言された裏には、オーストラリア政府の中で隠蔽があったと推理する人々もいた。

●中国のスパイ説
ホルト首相は1930年代初頭から、中国政府のスパイだったという説も存在した。ホルト首相は大学生時代、オーストラリアと中国の関係強化を主張する論文を執筆し、中国シンパだったと言われている。
その後もホルト首相と中国政府との関係は続いていたが、オーストラリアの秘密情報局が彼に疑いをかけていることを知り、失踪を企てたとする説だ。
彼の最後の日、ホルト首相は自ら海に泳ぎ出し、ダイバーの助けを借り中国の小型潜水艦に乗った。そうだとすればマージョリー・ガレスピーの見た、「首相の周囲の海面が、まるで沸騰するように泡立っていた」という証言と一致することにもなり得る。
しかし、ホルト首相の妻ザラ・ホルトはその説を却下し、「中国の潜水艦? 中国のスパイ? 馬鹿馬鹿しい。彼は中華料理さえ好きでなかったわ」と述べている。
こうして、ホルト首相の“神隠し”は50年以上たった今も、オーストラリア最大のミステリーとして人々の関心を集めている。今後、この事件の謎に何か新しい情報がもたらされる日は、はたして来るだろうか。
参考:「Smithsonian Magazine」、「CNN」、ほか
※当記事は2020年の記事を再編集して掲載しています。
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