9.11同時多発テロ犠牲者の“前世記憶”を持つ少年「瓦礫の下に埋もれたことを覚えている」

 いわゆる“前世記憶”を持つ子供たちが折に触れて話題になるが、9月が近づくにつれて思い出されるあの“911”の犠牲者の記憶を持つ少年のストーリーがネットで話題になっている――。

イメージ画像 Created with DALL·E

■911犠牲者の“前世記憶”を持つ男児

 2歳半で話せるようになった早熟の男児が3歳から口にしはじめたことは、“あの日”に自分は旅客機が激突した高層ビルの110階から落ちて死んだのだという驚愕のストーリーであった。この男児の前世はあの“911”の犠牲者だったのか――。

 2011年にLMNのドキュメンタリー番組「The Ghost Inside My Child」がYouTubeで再び注目を集めている。

 2004年生まれのケイドは、3歳になるころから両親に「飛行機」、「高いビル」、「落ちて死んだ」などの言葉を話すようになり、夫妻を困惑させていた。加えて夜中に悪夢を見て泣き出して起きることが何度もあったという。

 ケイドはスケッチブックに飛行機と高層ビルの絵ばかり描き、親が運転する車に乗せられて街に出た時には、高いビルを見ると怖がって目を背けるのが常であったのだ。

 そしてある日、ケイドは母親のモリ―に向かって「何かにぶつかったビルの中にいて、爆発して落ちた」とはっきり明言したのだった。

「落ちたとき、自分はまだ生きていたが、瓦礫にぶつかって死んでしまったので何も感じなかった」(ケイド)

画像は「Wikimedia Commons」より

 驚くしかなかったが、両親はケイドがあの911事件の犠牲者の話をしていると認めるしかなかった。ちなみに家族の周囲には911の犠牲者や事件の関係者はまったくおらず、事件の話を家の中でしたこともなった。そしてニューヨークに行ったことは1度もないのである。

 モリ―は答えを見つけたいと願ってウェブ掲示板で息子の話を共有したのだが、事件の日にツインタワーで働いていて亡くなった男性がいることを知らされた。その男性の人生はケイドが語る事件の様子ときわめて似ていたのだ。

 ケイドはこの男性の“前世記憶”持つ“生まれ変わり”ということになるのか。

 ショックを受けた両親であったが、ケイドの“トラウマ”をゆっくりと癒していくしかないと覚悟を決めたのだった。

 これまでにも“前世記憶”を持つ子供たちはある年齢に達すると、その記憶を語らなくなり、そのうちに完全に忘れてしまうことが報告されている。

 7歳になったケイドはフットボールで活躍するようになり、学校での学業も優秀であったが、この時点で悪夢はまだ続いており“前世記憶”は続いていることが番組では示唆されている。

 現在、ケイドは20歳になっているが、その後の情報は共有されていない。きわめて興味深いストーリーではあるが、彼のためにも“あの日”が忘却の彼方へと葬り去られるのが望ましいのだろう。

参考:「Daily Star」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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