4人家族のビッグフットに拉致・監禁された男の衝撃実話! 言語や好物、住処まで判明…?

 かつてビッグフットに誘拐された男がいた――。最恐UMAによる監禁生活の日々で男は彼らが話す言葉を学んだという。

■キャンプ中にビッグフットに誘拐される

 北米の森林地帯でその姿が目撃されているビッグフットだが、証言の中には極めて至近距離でコンタクトしたケースもあれば、驚くべきことにビッグフットに誘拐されたという話もある。ビッグフットに誘拐され監禁されるも脱出に成功して帰還したという驚くべき体験をしたのが、カナダ人のアルバート・オストマン氏だ。

 1924年、オストマン氏はカナダ・ブリティッシュコロンビア州トバ川の入り江近くの荒野を訪れた。その目的は、この一帯のどこかにあると噂されている金鉱脈を探し当てることであった。

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画像は『Fandom』より引用。CC-BY-SA

 旅の当初は現地のガイドを雇ったのだが、ガイドの話では同地で最初に金鉱脈を見つけたとされる男がビッグフットに襲われて殺されたという。オストマン氏はこの時、不気味なUMA(未確認生物)の話を初めて耳にしたのである。

 調査の拠点となるキャンプを設営してからは単独で行動することになったオストマン氏だったが、数日後に奇妙なことに気づく。キャンプ内の備品のいくつかが移動していることがわかったのだ。いったい何者の仕業なのか。

 ヤマアラシなどの野生動物が入り込んできて備品を押しのけたりしているのではないかとも考えたオストマン氏は、その夜からライフルを身体の近くに置いて眠ることにしたのだった。

 途中で目覚めることなく翌朝まで眠ったオストマン氏は、今度は部屋のいくつかのものが無くなっていることに気づかされる。プルーンや小麦粉などの保存食品のストックがいくつか無くなっていたのだが、辺りは散らかされておらず略奪された形跡もなかった。ベテランの泥棒の仕業であるかのようだった。

 その夜、意を決したオストマン氏は肩にかけたライフルを手にしたまま寝ずに一晩を過ごすつもりであったが、睡魔に打ち勝つことはできずに眠りに落ちてしまう。

 寝ぼけ眼で薄っすらと目覚めると、驚いたことに自分が寝袋にすっぽりと収まっていて、何者かによってどこかに運ばれていることを理解した。肩にかけたライフルも一緒だった。頭まで寝袋に包まれていたので視界は完全に遮られていたが、どうやら自分が巨人か、あるいは何らかの大きな生物に抱きかかえられた状態で運ばれていることもまた徐々にわかってきた。時折、その生物の息づかいを聞くことができたのだ。

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■ビッグフット4人家族との監禁生活

 移動の足がようやく止まると、オストマン氏は地面の上に降ろされた。

 寝袋のチャックを恐る恐る開いて周囲を注意深く眺めたオストマン氏は、洞窟のような暗い場所で全身が毛むくじゃらのビッグフットを複数目撃することになる。

 オストマン氏を運んできたと思われる筋骨隆々で一番大きな個体は身長2.4メートルほどもあり、おそらく父親で、他にもう少し小さい体格の母親と男女の子どもらしき個体がいたのだ。つまり、オストマン氏は4人家族のビッグフットの住処に連れてこられたのである。

 彼らは独特の言葉で会話をしていた。オストマン氏は寝袋から出たが、彼らは何ら危害を加えようとはしてこなかった。しかし、オストマン氏が洞窟を出ようとすると彼らは進路を塞ぐので、どうやら彼らはオストマン氏をここから出さないつもりであることがわかったのである。

 オストマン氏はそれから6日間、このビッグフットの家族と生活を共にすることなる。オストマン氏は彼らから提供されるナッツと野草の食事をし、樹皮を敷いた寝床で眠った。起きている間はビッグフットの子どもたちと遊んでいたのだが、服のポケットに入っていた嗅ぎタバコの箱を渡すと、彼らは箱を興味深く開け閉めしてずっと遊んでいたという。

 そして、オストマン氏はある意味では自然に、彼らが口にしている言葉を学ぶことになる。

 たとえば、オストマン氏にそこに座ったままでいることを望んでいる時、彼らは「ソカ、ソカ」と言った。また彼らが水をくれる時、彼らは毎回「オック」という言葉を口にしていた。

 こうした言葉を聞くうちにオストマン氏は、「ソカ」は「留まる(stay)」を意味し、「オック」は「水(water)」かあるいは「飲む(drink)」を意味するものであると推測したのだ。そしてオストマン氏はいくつかの基本的な単語を使って言葉で簡単なコミュニケーションができるようになった。

 また、彼らのコミュニケーションにはより複雑な側面もあり、ジェスチャーや顔の表情を使ってアイデアを伝えたり、足を踏み鳴らすこともあったという。ビッグフットとのコミュニケーションはオストマン氏にとってとても興味深いものであったが、しかし、そろそろここから脱出するべきだと考えるようになる。

■嗅ぎタバコを使って脱出に成功

 オストマン氏は“脱出作戦”を実行に移すも、最初の数回は失敗に終わった。ライフルを持っていたオストマン氏には、ビッグフットに発砲する選択肢もあったのだが、まったく危害を加えてこない彼らを銃撃するのはさすがに憚れたし、もし失敗して外した場合にどんな展開が待っているのか予想できなかった。そもそも父親のビッグフットに銃撃の効果があるのかどうかもわからなかった。

 そこでオストマン氏が思いついたのは、嗅ぎタバコを使ってみることだ。新品の嗅ぎタバコがまだ1箱残っていたのだ。

 子どもたちは嗅ぎタバコの箱で遊んだり、中に残っている嗅ぎタバコを舐めたりするのが好きだったのだが、父親も興味を示していることにオストマン氏は気づいていた。そこで父親のビッグフットの眼前で新品の嗅ぎタバコの箱を開けたのだ。

 案の定、父親はオストマン氏の手から嗅ぎタバコを奪い、箱の中の葉のすべてを口に放り込んでしまったのだ。普段はタバコとは無縁のビッグフットだけに、いくら巨体であろうともこの行為は致命的にも思えた。めまいがしているのか、グッタリ倒れ込んで立てなくなったビッグフットを後目に、やすやすと洞窟を出たオストマン氏は足早にこの場を離れたのである。

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 しばらくすると母親のビッグフットが猛スピードで追ってきたのだが、ライフルで威嚇射撃をすると追ってこなくなった。

 首尾よくビッグフットの家族から逃れたオストマン氏は、森林作業員に発見されて身柄を保護されることになる。

 この“ビッグフット誘拐拉致事件”について、数十年にもわたり自分から語ることのなかったオストマン氏だったが、1950年代にビッグフットの目撃情報が増えると関係者から説得され、1957年になって一連の驚くべき体験を公表してセンセーションを巻き起こした。

 オストマン氏の話を真剣に受け止める人々がいる一方、彼を嘘つきよばわりして嘲笑する人々もいた。話の真偽はいったん保留するにしても、この“ビッグフット誘拐拉致事件”はビッグフットについての言説の中でも最も詳細なストーリーの1つであることは間違いない。そしてビッグフットが話す言語について触れた貴重な史料でもある。今後もビッグフットをめぐる情報について何か動きがあればまたお知らせしたい。

参考:「Mysterious Universe」、ほか

 

※当記事は2021年の記事を再編集して掲載しています。

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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