予知するUMAの真相と世界の“有翼人史”に奇妙なリンク…モスマンはやはり生きている!?

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■北米ウェスト・バージニア州を恐怖のどん底に陥れた

 実吉達郎氏の著書『UMA解体新書』には、当時のモスマン出現事件が詳細に記されていた。実吉氏は、未確認動物の研究者にして、動物園で働いている方なので、「鳥の誤認」説を打ち出しているものの、判然としない。

 事件は1966年11月15日、北米ウェスト・バージニア州ポイント・プレザント市で起きた。この地に突如として現れた怪物UMAがモスマンだ。ウェスト・バージニアと言えば、アメリカの古き良きカントリー・ミュージックの「カントリーロード」にも詩の一文として出て来る、そんな田舎町なのだが、軍の基地のそばをドライブしていた4人のカップルが道路上に赤く輝く目を持つ野生動物を視認。そのまま通過しようと近づいていくと、その姿は背丈が2m、両腕が翼で、目玉が2つ、鳥のような足が2本だった。

 驚いて車を止めると、その怪物はヨタヨタと助走し始めて、翼を広げて飛び上がって来た。翼長は3メートルはあろうかという大きさで、真上に飛び上がった為、4人は驚いて車をUターンさせて引き返した。だが、アクセル全開で毎時160km/h以上で運転しているにもかかわらず、その怪物は左右の車窓に出現する。街まで戻ったカップル曰く、ネズミのような鳴き声、バサバサという鳥の羽ばたき音を聞いたそうだ。そのまま警察に駆け込み、事情を説明したが、夜遅かった為、翌朝からの捜査開始となった。

 残念ながら現地での他の目撃者はおらず、出現場所に窪みが見つかった程度だった。状況証拠ありとして信用されたが捜査保留となった。ただ地元警察が大々的に捜査することが決まってからは地元紙、TV局、UFO研究家が現地までやって来て調査を始めると、12〜13件の目撃例が出始めた。怪物の名称も「モスマン(蛾男)」と命名され、地元ではちょっとした騒ぎに発展することになる。実はこのポイント・プレザント市はこれ以外の事件にも謎が多い場所で、UFO、幽霊、呪いなどありとあらゆる超常現象が発生している地域だった。この街自体をドラマ化、映画化したものも多い。

■モスマンが、地元住民に伝えた不吉な数字と災い

 実はこの事件には後日談があり、モスマンの赤い目を視認してしまった男の家族が夜な夜な掛かってくる電話に戦々恐々することになる。なぜなら、その男しか知らない個人情報を話し、信用させたところで、未来に起こると思われる橋の崩落事故を予言するのだ。「そこに行くな」と、知らせてくる。また、他にモスマンを目撃した住民も、森の中で仮死状態で発見され…。

 男はなんとか電話で告げられた「未来に起こる災害」を未然に防ごうと努力したが、結局、事故は発生してしまった。

 事前に「46」という数字と「橋」というキーワードだけ知っていたが、突き止めた時には既に遅かったのだ。1967年の冬の川にかかるシルバー・ブリッジ、耐荷重を超える荷物を運んでいたトラックが立ち往生、渋滞で多くの車が橋の上に止まってしまった。その前後にいた乗用車が、橋とともに川に崩落、多くの被害者を出す大事故になってしまった。なんとか助けられた人々を除く被害者の数はぴったり「46」だったのだ。

■モスマンの正体とは!?

 多くの人々は当時流行っていたバットマンのパクリだとか鷺や鶴の見間違いだと断定されてしまった。ただ翼長3メートルとか、背丈2メートルでは、サイズが合致しないし、そもそもモスマンが電話で未来を予知してくるというだけでも異常な話だ。

 ちなみに、大きな自然災害や戦争や事故の前に現れる妖怪やUMAの不吉な話は世界中に存在する。2020年に復活した江戸時代の妖怪「アマビエ」「アマビコ」もその一つだし、九州・四国・中国地方に現れた人面牛「件(くだん)」も人語を介して予言を行うという共通点がある。

 さて、ポイント・プレザントの事件から10年後の1976年4月半ばに、英国南西端の半島の街コーン・ウォール州モウマン村の子供達が教会の上を飛んでいた「アウルマン(フクロウ男)」を目撃、顔はミミズク、胴体は人間のようだったとしているが、恐ろしくなった子供達は急いで逃げ出した。

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 さらに3カ月後の7月初旬にも二人の女の子が、教会の周りの森の中でアウルマンを目撃している。松の木に止まり、足にはかぎ爪、全身が灰色、成人ほどの背丈で、目は大きく脈動していたが、飛び去って行ったようだ。翌日も三人以上の女の子がアウルマンを目撃、村人たちも騒ぎ出すと、アウルマンは姿を消してしまう。

 30年後の2003年、再びモスマンがポイント・プレザントの橋脚に止まっている所をカメラで連続撮影されている。身長が2メートル、全身が黒い毛で覆われている。背中に羽のある蛾のような姿をして、人間のように二足歩行できるようだが、羽ばたくのでは無く滑空するように飛ぶそうだ。キィキィと鳴きながら人を襲うらしい。この蛾男の出現でポイント・プレザントが有名になったので、それを記念して3メートルほどのモニュメントが建てられている。

■各国の有翼人の歴史を紐解いてみると!?

・日本
 日本には顔はカラス、背中には鳥の羽、体は人間で、行者の格好をしている「烏天狗」が平安時代に羽を持って半人半鳥の姿で描かれている。南北朝時代の絵巻物「是害房絵巻」にも登場する上、真言密教では荼枳尼天(だきにてん)の化身である飯縄権現(いづなごんげん)の姿が狐に乗る烏天狗で表されている。東京八王子市の高尾山薬王院には飯縄権と呼ばれる烏天狗に似た像が祀られている。また「天狗経」によると日本の天狗界には48の上天狗がおり、特に鞍馬山の天狗は護法魔王尊、魔王大僧正と呼ばれ、人類を救う為に金星からやって来た使者でサナートクマラという名前を持っているという説もある。偉大な除魔招福に力があるとされる。

高尾山薬王院の飯縄権現銅像。画像は「Wikipedia」より引用

・インド
 また有翼鳥人という神で考えると、インド神話には「ガルーダ」という頭は鳥、体が人間の生物がいる。

ガルダ(ガルーダ)像 Hyougushi / Hideyuki KAMON から National Museum in Delhi, IndiaFlickr, CC 表示-継承 2.0, リンクによる

・メキシコ
 中米メキシコ・ユカタン半島のマヤ文明には「ケツァルコアトル」という鳥の神がいたとされる。

ケツァルコアトル 画像は「Wikipedia」より

・中国
 二千年前の中国の書物で「山海経」という奇々怪界な怪物の蒐集譚が有名だが、この中の第六南経に羽民国の「有翼人」(長い頭に人間の体と羽が生えている生物)のことが描かれている。もっと遡れば、紀元前6300年〜3600年、中東のイランにあったとされるメソポタミア文明の有翼の女神ゴルゴーン10や、首都ウルには、城壁のある都市国家の城門とジグラット(宮殿)の入り口に置かれていた高さ4メートルの巨大な人頭有翼雄牛像ラマスが門番(守り神)として飾られていること、メソポタミアの有翼人で「癒しの神」がギルガメッシュ叙事詩にも描かれている。

■モスマンの研究者にまつわる不幸

画像は「Amazon」より引用

 2002年、「モスマンの予言」はリチャード・ギアを主演にした米SiFi映画『プロフェシー』として劇場公開されている。筆者も日本の年末超常現象特番のテーマとして東京の知人T氏からの依頼で、オーストラリアから海外情報を日本へ送っていた時期があった。その際、海外特派員としてUFO、UMA、超能力、天使や悪魔、魔法、都市伝説などを調べては、記事にしてビデオテープなども海外から送っていたことがある。その際、モスマンの事を調べて欲しいという依頼で、調査していた時、アメリカのUFO、異星人、超常現象の研究者が続けて亡くなっていた事を知らされた。

■モスマンは天使か悪魔か異星人か!?

 筆者の知り合いで、現地取材では定評のある米国の超常現象研究家が亡くなったのだ。死因は不明だが、事故死とのことだった。彼はかなり詳しくモスマンに切り込んでいて、あと一歩で異星人説が濃厚と言う所まで来ていたという。ちなみに、「天使」か「悪魔」かで分けるとしたら、両方あり得ると言っていた。彼は根っからの研究者だったため、やはり真相に辿り着いたら公表しようとしただろう。ひょっとすると公表されたくない筋から消されるのかもしれない。

■日本でも古代の偉人を調べる時には細心の注意を

 日本では「自然霊」や「妖怪」に対しては「先祖崇拝」観念から「敬意」を持って接する事が望ましく、彼らのすむ山や森も保護しつつ、居場所を確保するのも正しい在り方だと言える。取材や調査する場合には常に「心のどこか」で敬意を持つべきだろう。彼らの棲息域に入る前にも、一言「どこの誰で、何をしに来たか、そして感謝と敬意」を示すべきだ。その筋やモスマンに消されないためにも……。

 

※当記事は2021年の記事を再編集して掲載しています。

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文=中津川昴

アカシックレコードリーダー・超常現象研究家 TBS「笑撃!ワンフレーズ」「もてもて99」「ヨンパラ」NTV「スクール革命!」CX「笑っていいとも!」「ノンストップ!」「ファミ劇」携帯「時空占」「運命予言」書籍「アセンション」発売中。八ヶ岳UFOコン・龍宮学校実行委/アルカディア電農産業代表/(株)山口敏太郎TC所属
・X@subaru2012

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