米先住民に伝わる最恐UMA「ウェンディゴ」の遭遇体験談! 身長4.6m、ガリガリのモフモフ、腐臭を放ち… 遭遇例4つを解説!

By Aden kowalskiOwn work, CC BY-SA 4.0, Link

 アメリカ北部からカナダ南部のネイティブアメリカンに伝わる謎のUMA、ウェンディゴ――。伝承の中の存在といわれていたウェンディゴだが、今なお興味深い遭遇体験談が報告されている。

■謎の野人“ウェンディゴ”とは?

 ネイティブアメリカンの伝承の中に登場する巨大な人型の獣がウェンディゴ(Wendigo)だ。神秘的で奇妙な能力を持つといわれるこの謎のUMAの目撃・遭遇報告が巨大掲示板「Reddit」にいくつも寄せられている。

 ウェンディゴはネイティブアメリカンであるアルゴンキン族の神話と伝説に登場する恐ろしい野人である。身長は最大で4.6メートルにもなり、毛深くガリガリに痩せていて、腐臭のような体臭を放ち、眼光鋭い目、長い黄ばんだ牙、鋭利な恐ろしい爪、長い舌を持ち、シカのようなツノを持つ個体も報告されている。

 高い身体能力に加えてある種の“超能力”を持っているといわれ、姿が見えなくなったり、心を読んだり、人間の声を模倣したりする能力や、恐怖の波動を放出する能力もあるという。

 その起源にはいくつかの説があり、飢餓に打ち勝った人間であるという説や、または共食いの極限状況をサバイバルした人間がウェンディゴになるという説、災厄から部族を救うために悪魔と取引した戦士という説もある。いずれにしても腹を空かせ獲物を求めている貪欲な野人だ。そして今でもウェンディゴの目撃・遭遇談が報告されている。

■人間の言葉を話す謎のUMA

 ネイティブアメリカンの血を引いているRedditユーザー名「universemasterOnGram」氏は13歳のときにキャンプ旅行でこの謎のUMAに遭遇した体験談を綴っている。

 テントを張り、キャンプ生活を始めてすぐに奇妙なことが起こり出した。近くに鳥の死骸が見つかり、キャンプ用品や道具のいくつかがなくなった。辺りに悪臭が立ち込めることもあったという。

 同氏が薪を求めて森の中を歩き回っていたとき、後ろの茂みでカサカサという音が聞こえ、同氏の名前を呼ぶ声が聞こえたという。体調不良でほんの数時間前にキャンプ場を後にした妹の声に似せた声だったが、耳障りで荒々しく背筋が寒くなったという。近づいてくる足音が聞こえたので、同氏はあわててキャンプ場へ引き返した。

 それでもキャンプは予定通りの日程で終わったのだが、撤収作業を終えて荷物を車に積み込み、キャンプ地を離れる際に車の窓から後ろを振り返ると、並木道に立ちこちらを見つめているガリガリに痩せた恐ろしい形相の大男の姿が目に入り驚かされたのだった。それはウェンディゴなのか。そして森の中で追いかけてきたのはこの野人であったのか。その後すぐにこのウェンディゴは姿を消し、見えなくなったという。

イメージ画像 Created with DALL·E

■一帯で増える野生動物の死骸

 Redditユーザー「Katzaidanj」氏の話は、某所の郊外でずたずたに引き裂かれたキツネとシカの死骸を多く見かけるようになったことから始まる。無残にもこれらの動物たちの内臓が周辺の木の枝にぶら下がっていることもあったということだ。

 同氏は家の近くの森の中でこちらを見つめる“視線”を感じたという。振り向くと70メートルほど先の小川の向こうに大きな生き物がいることに気づいたのだ。

 身の危険を感じた同氏は上り坂の山道を全速力で走って逃げた。これまでの人生でこの時ほどアドレナリンが身体中をかけめぐる体験をしたことはないという。普通なら走っても30~40秒はかかるであろう距離を10秒ほどで走り抜けたということだ。

 うまくこのUMAから逃げおおせた同氏だったが、やはりそれはウェンディゴだったのだろうか。一帯ではウェンディゴの目撃報告が少なくない。そして野生動物たちの死骸はこのウェンディゴの仕業なのか。

 この体験以降、同氏はウェンディゴらしきUMAを目撃していないということだが、ウェンディゴは決して襲いかかってくるのではなく、人間に助けを求めたり、誘惑したりして接近を図るのではないかと考えている。以前にも、森の中で助けを求めている少女のような声を聞いたことがあるという。「もしそのようなウェンディゴに森の中で出会い、会話するようなことがあるとすれば考えただけでも身の毛がよだつ」と同氏は語っている。

■木立の中を俊敏に動き回る謎のUMA

 ジョージア州北部の山のキャンプ地でも奇妙なUMAが目撃されている。

 目撃者の兄弟はこの地で2泊3日のキャンプを行っていた。焚火を囲んで夕食をとりながら雑談していたところ、森から発せられている奇妙な音が聞こえはじめたのだ。辺りを懐中電灯で照らしてみるも、音の発生源が何であるのかは判然としなかった。そしてその音は口笛のような音に変わったのだ。

イメージ画像 Created with DALL·E

 兄弟は恐怖を感じ、もしものための対策を考えざるを得なかった。兄に命じられて弟は警察に電話をかけ、兄はテント内の荷物の中からナイフを取り出した。

 少しすると口笛の主に動きが見られた。兄は懐中電灯の光を当てて動くものを追った。すると木立の中に何らかの人影を2秒ほどの間、目撃することができたそうだ。

 人影は腕、脚、首、指のすべてが長く、そして動きが速かった。光が当たるとすぐに、素早く移動し人間には不可能な距離のジャンプをしながら駆け回った。懐中電灯で動きを追う兄だったが、恐怖のあまり大きな叫び声を発していたという。

 こうした状況が10分ほど続いた後、兄の叫び声を聞きつけて別の場所にいた3人のキャンパーたちが安否を確認しにやって来た。するとUMAの動きは止まって一帯は静かになり、続いて森林レンジャーもやって来た時には、まったく何事もなかったかのような状態になっていたということだ。

■ウェンディゴは川を渡らない?

 テキサス州中央部に広がる丘陵地帯、テキサス・ヒル・カントリーの実家に夏の休暇で帰省していた男性の目撃報告もある。

 実家近くの小川に沿って散歩していた同氏だが、外に出ていた両親の飼いネコの様子がおかしいことに気づいた。何かにおびえているようだったのだ。

 猫が見上げている先に視線を移すと小川の向こうにウェンディゴがいた。背が高く、長い腕の身体はつやのない獣毛で覆われていて頭からはツノが生えていた。ガリガリに痩せていたかどうかまでは覚えていないという。

イメージ画像 Created with DALL·E

 きわめて大きくてダークな目は、まさに肉食獣のようであった。男性は吐き気がし、そのまま嘔吐するとなぜか恐怖を克服できたという。その後急いでネコと一緒に家に戻った同氏だが、奇妙なことに、それがウェンディゴであれUMAであれ、小川を渡ってくることはないという確信があったというのだ。そしてそこから10年の間、こうした体験を二度とすることなく今に至るという。テキサスでこのウェンディゴを目撃した人がほかにもいるのかどうか、今も気にかかっているということだ。

 もちろんこれら4つのケースで目撃されたUMAがすべてウェンディゴであるという証拠はない。しかし外見の特徴や、小川を渡って追ってくることはないことなど、いくつかの共通点があることも事実だ。

 アメリカ大陸の代表的なUMAとしてはビッグフット(サスカッチ)がまず最初に挙げられるが、ビッグフットとウェンディゴが混同されているケースがないとはいえないかもしれない。そして同じくネイティブアメリカンの伝説に登場する変幻自在のUMAであるスキンウォーカーとの関係性も気になる。いずれにしても今後の目撃情報にも引き続き注目していきたい。

参考:「Mysterious Universe」、ほか

 

※当記事は2020年の記事を再編集して掲載しています。

TOCANA編集部

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