100年前の異才発明家による“2025年予測”は当たっていたのか
VRヘッドセットの登場は100年前に“予言”されていたのか――。「電波誘導システムの父」と呼ばれるイギリスの異才は100年前に数々の“2025年予言”をしていたとして話題だ。
■100年前の異才発明家による“2025年予言”
21世紀も四半世紀を迎え、19世紀と20世紀のSF作家が想像した未来の時代が到来したことになる。人類が宇宙で暮らしたり、ロボットが家事炊事をすべて担ったりはまだしていないが、ある発明家が2025年について行った予測はなかなか正確なものであった。
1888年にロンドンで生まれたアーチボルド・ロウ(1888-1956)は20世紀前半の著名な発明家の一人であり、1914年にテレビの原型を製作し、その後第一次世界大戦中には世界初の無人航空機を開発している。
「無線誘導システムの父」の異名を持つこの先見の明のある発明家でエンジニアであったロウは、多作な作家で未来学者でもあり、その予測は当時のイギリスの新聞に定期的に掲載されていた。1925年には新技術が2025年に世界の人々の生活をどのように変えるかを予測した『The Future』という著書を出版している。
ロウが1925年に予測した100年後の2025年の生活にはスマートフォンへの言及があり、ロウはスマートフォンを「毎回正しい番号を取得する自動電話」と表現している。この言及は1920年代の回転ダイヤル式電話では毎回正しくダイヤルするのが難しかったことを反映していると思われる。
また現在のショッピングモールや空港でよく見られる「動く歩道」や、あるいは「エスカレーター」についても触れられている。さらにロウは「テレビが写真付き新聞に取って代わり」、毎日のニュースが「拡声器」で伝えられると予測している。これは日々のニュースをスマホでチェックしている今の我々を予見していたものであるといえる。
また再生可能エネルギーの開発についても予測しており「風と潮流も人類の役に立つように利用される」と述べている。これは風力発電と潮力発電の登場を“予言”したものであるともいえるだろう。
奇妙な言及としてロウは2025年の全世界の人々は「合成フェルトのワンピース」を着るようになるだろうと示唆しており、残念ながらこの予測は外れたことになるが、たとえば現在、合成繊維のフリースの洋服は世界的に着用されていることも事実だ。
ロウはまたオンラインバンキングの登場や、ますます巧妙化する犯罪組織が現代のテクノロジーを悪用する可能性があることも予測している。
彼のもう1つの“予言”は、映画館の観客がどの映画を見るかを選択できる特別な視聴用メガネについての言及である。これが具体的にどのようなものであるかについてはまさに“死人に口なし”であり詳細はわからないが、ひょっとするとVRヘッドセットのことであるとすれば彼は正しかったといえるだろう。
その生涯を通じて44作もの著書を遺しているロウの“2025年予言”がまだほかにもあるのか気になるところだ。
参考:「IFLScience」ほか
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2024.10.02 20:00心霊100年前の異才発明家による“2025年予測”は当たっていたのかのページです。テクノロジー、VR、発明家、予言、2025年などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで