失踪、誘拐、殺人…Googleマップが解き明かした10の事件!

 技術の進化は、犯罪捜査のあり方に大きな変化をもたらしている。その中でも、GoogleマップやGoogle Earthの画像が決定的な役割を果たした事例が数多く存在する。本記事では、Googleのツールが未解決事件や謎を解明する手助けとなった10の具体例を紹介しよう。それぞれのケースは偶然や執念、そして技術の力が織りなす驚くべき物語だ。

1. パレット・ランドリューの失踪事件

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画像は「UNILAD」より

 2020年11月、ベルギー・アンダンヌで83歳のアルツハイマー病患者パレット・ランドリューが失踪した。夫のマルセルが洗濯物を干している間に家を出て行方不明となり、地元住民や警察による大規模な捜索が行われたものの発見には至らなかった。

 2年後、近隣住民がGoogleストリートビューで自宅周辺を確認していた際、偶然彼女の姿が写り込んでいるのを発見。捜査は再開され、彼女の骨が茂みの中で見つかった。転倒して起き上がれず、そのまま衰弱死したと見られている。

2. アソールでの誘拐事件

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画像は「Listverse」より

 2009年、マサチューセッツ州アソールで9歳のナタリー・マルテが祖母ローズ・マルテによって誘拐された。GPS追跡が行われたものの、位置情報は50メートル程度の範囲までしか特定できなかった。

 ここで活躍したのがGoogleストリートビューだ。警察関係者がデジタル地図を精査し、最後の位置情報に一致する赤い屋根のモーテル「バジェットイン」を特定。数時間後、バージニア州の警察が2人を発見し、少女は無事救出された。

3. スペインでの殺人事件

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画像は「Googleマップ」より

 こちらは先日、TOCANAでもお伝えした事件だ。2023年、スペインのタフエコ村でキューバ人男性が殺害される事件が発生。Google Street Viewの画像には、遺体と思しきものを車に積み込む人物の姿が映り込んでいた。

この画像をもとに現場が特定され、被害者の遺体が埋められている場所が発見された。さらに、別の場所で撮影された画像には、同じ遺体を運ぶとみられる様子が写っており、容疑者の関与を裏付ける重要な証拠となった。

※関連記事:Googleマップが殺人事件の真相を捉えていた!?行方不明事件が解決

4. ミルウォーキーの誘拐事件

 2017年、ミルウォーキーで女性が誘拐される事件が発生。加害者はGoogleマップを使用して移動しており、これを目撃した被害者が捜査の鍵を握った。

 Googleの位置情報データが提供され、加害者の位置が特定された。追跡の末、加害者はケンタッキー州の森で逮捕され、長期の実刑判決を受けた。

5. スコットランドでの殺人事件

 2021年、スコットランド・レンフルーでポール・マシーソンが殺害される事件が発生。目撃情報が少なく捜査は難航したが、Googleマップのタイムライン機能が鍵となった。

 殺害現場から逃走する車両がCCTVに映っており、その車両の移動経路がGoogleマップを通じて特定された。最終的に車両所有者が逮捕され、DNA検証によって犯行が立証された。

6. イタリアのマフィアボスの逮捕

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画像は「Reddit」より

 イタリアのマフィア、ジョアッキーノ・ガンミーノは2002年に脱獄し、スペインで新たな人生を送っていた。しかしGoogleストリートビューに写り込んだ画像が彼の逮捕に繋がった。

 ガンミーノが立ち寄った店の画像から身元が特定され、ついに逮捕。20年以上にわたる逃亡生活に終止符が打たれた。

7. ナンシー・クーパーの殺人事件

 2008年、ノースカロライナ州でナンシー・クーパーがジョギング中に失踪し、数日後に遺体で発見された。夫のブラッドが容疑者として浮上したが無実を主張。しかし、彼のパソコンから遺体発見現場の衛星画像検索履歴が見つかり、犯行の計画性が疑われた。

 さらに、彼の支配的な態度や、ナンシーが子どもを連れてカナダに帰国する計画が明るみに出た。これらの証拠が決め手となり、ブラッドは有罪判決を受けた。その後、手続き上の問題から再審となり、減刑されたものの、罪を認めた。

8. ジェシカ・ルニオンズとカーラ・コペツキーの失踪事件

 ミズーリ州で2007年に高校生のカーラ・コペツキーが失踪。2016年にはジェシカ・ルニオンズも同じく姿を消した。ジェシカの焼けた車が見つかったことで恋人であるカイラー・ユストへの疑惑が高まったが、証拠不足で捜査は難航。

 2017年、Google Earthを用いた調査により、ミズーリ州の採石場で2人の遺骨が発見された。ユストの暴力的な性格と証言が決め手となり、2021年に彼はカーラ殺害で第二級殺人罪、ジェシカ殺害で過失致死罪を問われ、45年の刑を受けた。

9. ナタリー・ボリンジャーの奇怪な死

 2017年、19歳のナタリー・ボリンジャーがコロラド州の森で遺体で発見された。地域密着型の掲示板サービスCraigslistに「自分を殺してほしい」という投稿があり、それを見たジョセフ・ロペスが犯行を自白。しかし、Googleマップのタイムラインデータが彼の嘘を暴き、彼が自発的に犯行現場にいたことが判明。ロペスは第二級殺人罪で48年の刑を受けた。

10. カメルーン兵士の暴行事件

 2018年、カメルーン兵士が女性と子どもを処刑する映像が流出。政府は捏造と主張したが、ジャーナリストがGoogle Earthと影の角度から犯行場所を特定。軍服や武器から犯人がカメルーン軍であると証明された。2020年、兵士7人が逮捕され、4人が有罪となり10年の刑を受けた。この事件は、衛星技術と市民監視が国際的な正義に貢献した例として注目されている。

 GoogleマップやGoogle Earthは単なる道案内ツールではなく、時に過去の真実を明らかにし、行方不明者を見つけ、隠された犯罪を解き明かす力を持っているようだ。異なる視点でマップを見てみると、意外な真実が明らかになるのかもしれない。

参考:Listverse、ほか

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