「超絶肉食ダイエット」で手から“コレステロール”が滲み出た男

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画像は「FOX 13」より

 極端な食事療法は時として思わぬ健康被害を引き起こす。米フロリダ州タンパ総合病院では、毎日6〜9ポンド(約2.7〜4kg)のバター、チーズ、ハンバーガーのみを8か月間食べ続けた男性が、皮膚に黄色いコレステロールの塊ができる病気を発症し、診察を受けた。

 この症状は「黄色腫(xanthelasma)」と呼ばれ、通常は遺伝性の高コレステロール血症の患者に見られるものだ。男性はネットの情報をもとに「カーニボア(肉食)ダイエット」を実践していたが、医師はこれが原因で体内のコレステロール処理機能が破綻した可能性があると指摘している。

急激なコレステロール増加と発症の経緯

 この男性は40代で、これまでの健康診断ではコレステロール値は正常だった。しかし、極端な食事制限を開始してから8か月後、まずまぶたに黄色い斑点が現れ、その後1か月の間に手のひら、足の裏、肘にも同様の症状が広がった。診察の結果、医師は彼のコレステロール値が従来の5倍に急上昇していることを確認した。

 カーニボア・ダイエットは、炭水化物を完全に排除し、肉や動物性食品のみを摂取する食事法で、ケトン体をエネルギー源として利用することで急激な減量やエネルギーレベルの向上が期待される。しかし、専門家によれば、極端な脂肪摂取が続くとコレステロールが皮下や血管内に蓄積し、動脈硬化や心臓発作、脳卒中のリスクを高めるという。

黄色腫とは?治療法は?

 黄色腫とは、コレステロールが皮膚の下に沈着することで生じる病変であり、一般的には遺伝性の高コレステロール血症患者に見られる。しかし、この男性のケースでは、食事によるコレステロールの異常な上昇が引き金となったと考えられている。

 この病気自体は痛みを伴わないが、高コレステロールの明確な警告サインとされる。医師によれば、黄色腫は一度できるとコレステロール値を下げても消えないため、根本的な治療法は存在しない。ただし、美容目的で皮膚科の治療を受けることは可能だという。

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画像は「FOX 13」より

医師の警告と今後の対策

 専門家は、極端な食事制限に警鐘を鳴らしている。カーニボア・ダイエットは短期間で減量やエネルギー向上の効果が得られるが、長期間続ける場合は慎重に管理しなければならない。特に、脂肪摂取量が過剰になると、コレステロールが異常に上昇し、健康リスクが高まるため、医師や専門家と相談しながら実践する必要がある。

 また、ダイエットを始める際には段階的に低炭水化物食を導入し、バランスの取れた食事に移行することが推奨される。医師は「もしカーニボア・ダイエットを長期間続けるのであれば、定期的に医師の診察を受け、コレステロール値を監視すべき」と助言している。

 今回のケースは、ネット情報だけを頼りに極端な食事療法を実践することの危険性を浮き彫りにした。食事は単なる体重管理の手段ではなく、長期的な健康を左右する重要な要素であることを忘れてはならない。

参考:FOX 13、ほか

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文=深森慎太郎

人体の神秘や宇宙の謎が好きなライター。未知の領域に踏み込むことで、日常の枠を超えた視点を提供することを目指す。

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