地球へ接近する巨大なUFOを発見!?——拡散した画像の真相とは
![地球へ接近する巨大なUFOを発見!?——拡散した画像の真相とはの画像1](https://media.tocana.jp/wp-content/uploads/2025/02/asteroide_UX34.jpeg)
宇宙を飛ぶ謎の物体、地球へ接近か?
最近、地球へ向かっているとされる直径300メートルの円盤型の物体が捉えられた画像が、SNS上で急速に拡散した。この物体は地球から約1850万キロメートルの位置にあり、一部では「宇宙船なのではないか?」という憶測が飛び交っている。
この騒動の発端は、2024年9月に遡る。アメリカの議員アンドレ・カーソン氏が、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)に関する機密の有無について記者から質問された際、明確な回答を避けたことがきっかけだった。この対応がネット上で憶測を呼び、「宇宙望遠鏡が地球へ向かう謎の物体を発見したのではないか?」という噂が広まったのだ。
さらに、一部の情報筋は「この発見はアメリカ大統領選が終わるまで公表されない」と主張。2025年1月にドナルド・トランプ氏が再び大統領に就任した後、2025年2月には件の画像がインターネット上で拡散し始めた。この画像は、2017年にプエルトリコのアレシボ天文台のレーダーが捉えたもので、まるで映画に出てくるような巨大な円盤型の物体が映し出されていたのだ。
This is asteroid 226514 (2003 UX34) which is categorized as an Apollo-class object and is comparable in size to a football field. It looks more like a disc with an orb around it than an asteroid.
It is predicted to pass by at its closest point to earth on January 7, 2025. pic.twitter.com/w8WgehdnS0— Hypnosis Comatosis (@hypnolysis) December 24, 2024
実際は小惑星?しかしその特徴が話題に
この物体について、UFO研究家のスコット・ウェアリング氏が2023年12月にYouTubeで「これは単なる小惑星ではなく、金属製の円盤のように見える」と主張。さらに「この円盤からは2つの長方形の小型UFOが飛び出しており、それらが周囲を回っている」と述べたことで、一層の注目を集めた。
しかし、NASAの見解は異なる。この物体は「2003 UX34」という小惑星であり、地球に衝突する危険性があることから「潜在的に危険な小惑星」と分類されている。実際、2025年1月7日には地球から約1849万キロメートルの距離を通過した。拡散された画像は、この接近を受けて再び注目を集めたものであり、TikTokやYouTube、X(旧Twitter)で多くの議論を巻き起こした。
さらに、この小惑星は「二重小惑星」と呼ばれる種類に分類される。これは主星となる小惑星の周囲を、さらに小さな衛星が回っているタイプの天体だ。地球近傍天体(NEO)の約15%がこのような衛星を伴っていることが確認されており、決して珍しい現象ではない。
円盤のように見えるのは、レーダー画像の特性によるものだ。小惑星の本体が高速回転しているため、ドップラー効果によって画像が左右に引き伸ばされる。一方、周囲を回る小型の衛星は回転速度が遅いため、画像上では細長く見える。こうした物理的な要因が、まるで「母船とその周囲を飛ぶ小型UFO」という幻想的な構図を生み出したのだ。
![地球へ接近する巨大なUFOを発見!?——拡散した画像の真相とはの画像2](https://media.tocana.jp/wp-content/uploads/2025/02/asteroide_UX34_2.jpeg)
UFO議論は続く
これで疑惑は完全に解消されたのか?そうとは言えない。インターネット上では今なお議論が続いている。ある投稿者は、ハーバード大学の天文学者やアメリカ国防総省のUFO調査部門の元責任者が提唱した「地球外の母船が太陽系を航行し、小型探査機を放出している可能性がある」という説を引用し、この小惑星も同様の存在ではないかと主張している。
この説によれば、「人工的な宇宙物体が地球近くを通過する際、小型探査機を放出し、それらが地球や他の惑星を調査するのではないか」と考えられている。しかし、現在の天文学的観測では、これらの小型探査機が太陽光を十分に反射しないため、既存の望遠鏡では検出が困難だという。
なお、この小惑星を観測したアレシボ天文台は、1963年に建設され、直径305メートルの巨大な電波望遠鏡として長年活躍してきた。しかし、2020年に2本のケーブルが破断し、修復の困難さから天文台は閉鎖された。今回の騒動に使われた画像は、アレシボ天文台が健在だった2017年のものだ。
結局のところ、今回の「巨大UFO騒動」は、科学的には小惑星とその衛星によるものと説明される。しかし、それでもなお「宇宙のどこかに知的生命体が存在し、すでに地球を偵察しているのではないか?」というロマンは、多くの人々の心を惹きつけてやまないようだ。
参考:Espacio Misterio、ほか
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2024.10.02 20:00心霊地球へ接近する巨大なUFOを発見!?——拡散した画像の真相とはのページです。UFO、小惑星などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで