故ホーキング博士の警告「地球壊滅級の大災害は、“ほぼ確実”に起こる」宇宙進出の必要性

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By NASA/Paul Alers – Stephen Hawking speaks at NASA 50thhttps://www.nasa.gov/50th/NASA_lecture_series/hawking.html, Public Domain, Link

“車椅子の天才物理学者”ことスティーヴン・ホーキング博士が生前に語っていたこの先の地球に必ず起きる“大災害”とは――。

■地球壊滅級の大災害は「ほぼ確実に起こる」

 故スティーブン ホーキング博士(1942-2018)は宇宙物理学研究の一方で、人類はやがて絶滅レベルの大惨事の犠牲になるだろうと“予言”し、地球に衝突する小惑星をはじめ、人工知能、気候変動、遺伝子組み換えウイルス、核戦争など多くの潜在的な脅威があるとの認識を示していた。

 また地球外文明に対してホーキング博士は人類の側からアプローチしてはならないと警告し「エイリアンが地球を訪れたら、コロンブスがアメリカに上陸したときと同じような結果になるだろう。それはアメリカ先住民にとって良い結果ではなかった」とも語っている。

 2016年の「BBC」のインタビューで、ホーキング博士はこれらの懸念について時間的な観点から次のように述べている。

「ある年に地球を襲う災害の可能性は非常に低いかもしれませんが、時間の経過とともにその可能性は高まります。今後1000年または1万年のうちにほぼ確実に起こるようになるでしょう」(ホーキング博士)

 博士はその大災害が起きる頃までには人類が宇宙進出を果たしていることを確信していたのだが、それは時間のかかる難事業であることもまた指摘している。

「少なくとも今後100年間は宇宙に自立した植民地を築くことはできません。だから、この時期は非常に慎重にならなければなりません」(ホーキング博士)

 人類の宇宙進出にはこの先まだ100年はかかるということだが、その間に大災害がやってきてしまえば最悪のシナリオとなる。

 今後100年間は人類文明にとって重大な期間であり、宇宙植民地化のための技術を開発しながらも、現在の課題にも慎重に取り組む必要があるとホーキング博士は語る。科学界は、宇宙探査能力の向上を図りながら、差し迫った環境問題に対処するという“二刀流”の取り組みを続けなければならない。

 世界中の宇宙計画はこれらの目標に向けて着々と進められているが、宇宙空間やほかの惑星に人間の居住地を建設するという技術的な課題には、資源管理、放射線防護、極限環境への心理的適応といった複雑な問題も伴う。

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イメージ画像 Created with DALL·E

 2017年にロンドンで行われた記者会見で、ホーキング博士は宇宙植民地化に関する自身の立場を表明した。

「居住可能な代替惑星を探し始めるべきだと強く信じています。地球上のスペースは不足しており、宇宙の他の場所での生活を妨げる技術的な制限を克服する必要があります」(ホーキング博士)

 環境保護活動と科学の進歩は相互に排他的なアプローチではなく、どちらも人類の生存のために長期的なビジョンで取り組むべきものであり、相乗効果を生むことも期待できるだろう。

 今後100年以内に人類の宇宙進出が実現しなければ人類は大きなリスクに直面することになるというホーキング博士の“予言”を肝に銘じることで新年の門出にしてみたいものだ。

参考:「Misterios do Mundo」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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