トカナ > 科学 > 宇宙 > 1913年、世界を震撼させた奇妙な光！

1913年、世界を震撼させた奇妙な光！未だ解明されない宇宙の謎

2025.02.25 22:00 編集部

Xでポスト

1913年、世界を震撼させた奇妙な光！未だ解明されない宇宙の謎の画像1 — イメージ画像　Created with DALL·E

　現代では人工衛星の破片やロケット部品といった宇宙ゴミが日々地上に降り注いでいる。それらゆっくりと燃えながら空を彩る落下物は自然の隕石とは明らかに異なり、今では珍しい光景ではなくなった。しかし、1913年には、そのような光景は想像すらできなかっただろう――。

世界を震撼させた奇妙な光景

　1913年2月9日、カナダからブラジルにかけての広大な地域で、多くの人が同時に目撃した驚くべき天文現象があった。人々が見上げた夜空には、40から60個もの巨大な発光体がゆっくりと移動していたというのだ。まるで空を滑るように並行して進むその光は、数分間にわたって目撃され、人々の記憶に深く刻まれた。

　カナダ・オンタリオ州の目撃者は、この現象を次のように描写している。

「巨大な流星が現れ、途中で2つに分裂したかと思うと、燃え盛る丸太のようになり、火花を散らしながら進んだ。その後、さらに火球が前方へ飛び出し、まるで透明な星のような光がそれらを貫くように流れた。」

　一方、バミューダ諸島では「燃え盛る丸太」は見られず、発光する球体のみが観測された。中には、光を見る前に地面の振動を感じたと証言する者もいた。そして翌2月10日未明、再び「黒い影のような物体」が同じ軌道をたどって空を横切ったというのだ。

科学的な説明──説得力のある仮説はあるのか？

　この異常現象に対し、天文学者クラレンス・チャントは詳細な目撃情報を集め、これらの発光体が地球の周回軌道を描いた後、大気圏に突入した可能性を指摘した。しかし、1913年当時、「人工衛星」という概念は存在せず、この仮説はあまりにも突飛に思われたため、彼は代わりに「地球が一時的に捕えた小惑星が燃え尽きた可能性がある」とする仮説を提示した。

　この説を発展させた天文学者ジョン・オキーフは、「月の火山活動によって放出された岩石が一時的な環を形成し、その最後の残骸が1913年に地球に降り注いだ可能性がある」と主張した。

　しかし、後の研究により、これらの仮説には重大な矛盾があることが明らかになった。捕獲された小惑星は通常、不規則な軌道を描き、今回のように整然とした経路をたどることは考えにくい。また、月の火山が地球に向けて岩石を放出するというアイデアも、物理法則的にほぼ不可能とされている。