伝説の大洪水はアヌンナキらが「人類を滅ぼすため」超テクノロジーで引き起こした!? 隕石がピンポイントで文明を滅ぼしたのか

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 ノアの方舟の伝承の原型ともいえる洪水伝説が各地に残されている。

 どの伝承でも「神によって引き起こされた大洪水で世界は一度滅んだ」ことと「神から洪水が起きることを教えられた人物がさまざまな種とともに生き延びて、現在の人類の祖になった」点が共通している。

 超古代文明についての大胆な仮説を提示した『神々の指紋』の著書グラハム・ハンコックによれば、この大洪水はどの伝承をたどっても共通して今から1万2000年前に起きたと口伝されているという。

 実はこの1万2000年前には地球の歴史の中でも不思議なことがおきている。7万年前から始まった最終氷期がこの直前に一度終わりかけ、比較的温暖な時期が1000年ほどのつかの間のあいだ起きていた。超古代文明が存在するとすればこの温暖期に栄えたと考えられるのだが、この大洪水の時点を境に地球はふたたび寒さの厳しい氷河期に再突入するのだ。

 つまり先史時代に地球が温暖だった時期があり、その時代に超古代文明が栄えた。そして伝承の大洪水が起きた1万2000年前が転換点となり、超古代文明が一度滅び、そこから地球は再び氷河期に入ったことになるのだ。

 グラハム・ハンコックは超古代文明の存在についても、大洪水の痕跡についても、それぞれ証拠を挙げている。前者の超古代文明の典型はシュメールの地、つまりトルコ中部で発見されたギョベグリテペの遺跡である。この遺跡は土壌の同位元素の年代測定から1万2000年前に何かの理由で埋まってしまいそのまま現代まで保存されていたことが判明している。

 それ以外にも世界各地で1万2000年前の超古代文明の痕跡が発見されている。それらの数多くの証拠についてはグラハム・ハンコックの著書に譲るとして、もうひとつの大洪水の証拠とは何なのだろうか。

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 実は近年になって1万2000年前にヤンガードリアス彗星と名づけられた彗星ないしは小惑星が地球に激突した証拠が見つかっているのだ。証拠のひとつがナノダイヤモンドという微細なダイヤモンドで、これは彗星の激突のような稀にしかおこらない環境下でのみ生成される。このナノダイヤモンドが世界のヤンガードリアス境界層で幅広く発見されている。つまりその時期、彗星の衝突があったということだ。

 もうひとつの有力な証拠がアメリカ・ワシントン州にある巨大な洪水の痕跡だ。それは決壊洪水によって形成されたチャネルド・スキャブランドと呼ばれる地形なのだが、このような地形が誕生するためには当時のカナダ全域を覆っていた氷河期の氷冠の10%がわずかな時間の間で溶けて大洪水となったと考えなければ説明がつかない。それだけの氷を溶かすことができるエネルギーは巨大隕石の衝突しかありえないというのである。

 ヤンガードリアス彗星仮説の弱点は恐竜を絶滅させた小惑星と違って、それに相当するクレーターが発見されていないことだ。ただクレーターが存在しない理由は、分厚い氷河の上に彗星が衝突したとすれば説明できる。言い換えるとヤンガードリアス彗星は当時、北米大陸からヨーロッパ大陸まで地表を覆っていた氷河の上に突き刺さり、周辺の大量の氷河を一瞬で溶かし、伝説上の大洪水を引き起こしたと考えられるのだ。

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 これがグラハム・ハンコックが説明したヤンガードリアス彗星仮説なのだが、実はひとつ大きな欠点というか疑問点が存在している。

 大洪水でアメリカ大陸のクローヴィス文化が滅びた原因がカナダの氷冠に落ちた彗星だとしても、ゲルマン民族に伝わる洪水伝承が成立するためには西ヨーロッパを覆う氷冠にも彗星が落ちなければいけない。さらに古代シュメールが滅びるためにはトルコのアナトリア半島を覆う氷冠もさらに彗星の直撃を受ける必要がある。そうでなければそれぞれの地域での大洪水は起きないのだ。

 そこでヤンガードリアス彗星については列車型につらなった彗星ないしは小惑星がつぎつぎと氷河に激突したという仮説が提唱がされている。その落下地点が北米、北ヨーロッパ、そしてアナトリア半島のそれぞれの氷河にピンポイントで落下したということだ。

 たしかにそのような自然現象が起きれば、それぞれの地域で大量の氷河が瞬間的に蒸発し、それぞれの大洪水が起きる。そして大気に放出された大量の水蒸気や土埃は急速に寒冷化を引き起こし地球を氷河期に戻してしまうだろう。しかも彗星は氷河に落ちたためにクレーターの痕跡も残さない。

 しかし、そのように偶然に複数の氷河の上だけに分散して小惑星が激突するというようなことが起きる確率は非常に低いのではないか?特にアナトリア半島を覆っていた氷河は地球全体の面積で見れば非常に狭いエリアである。

 そこで思い出していただきたいのは、超古代文明に関しては古代宇宙人説が有力だということだ。石器時代の地球に宇宙人が降り立ち、当時のひとびとに知恵を授け、超古代文明を築いたという説である。シュメールのアヌンナキ、アメリカ大陸のビラコチャなど天からやってきた神についての伝承が存在している。

 そしてもうひとつ重要なことは、それらの神々は文明が発展するにつれ驕り高ぶった人類を憂いて「いちど滅ぼすことに決めた」という伝承がどの文明にも共通して残っていることだ。

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 北米、欧州、シュメール、それぞれの超古代文明の地に近接した3つの氷河に巨大隕石が落下し、それぞれの超古代文明が大洪水で滅んだ。隕石が3つともその痕跡を残さない分厚い氷河の上にピンポイントで落下した理由は「それが偶然ではなかったからだ」と考えるのが一番合理的な推論ではないだろうか。

 超古代に神と呼ばれた存在たちは、人類を滅ぼすために超テクノロジーをもって正確にコントロールしてピンポイントのターゲットに向けて天空から隕石を地上に落下させたのかもしれない。

 

※当記事は2022年の記事を再編集して掲載しています。

TOCANA編集部

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