15年間続いた“ガチ”のポルターガイスト事件!BBCも報じた謎の鍵と飛ぶ鍋「バタシーポルターガイスト」

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 1956年、英ロンドン南部のある住宅でポルターガイスト現象が起こった。一家は毎日のように起こる騒音やラップ音に悩まされたが、その中でも特に苦しい思いをしたのが当時10代だった一家の娘シャーリーである。その彼女が、2021年にテレビ出演し、自らの体験を赤裸々に語った。

 テムズ川南岸にあるバタシーは、今でこそ高級住宅地となり、おしゃれなカフェやパプが立ち並ぶ地区となっているが、1950年代は貧しい労働者階級が暮らすエリアだった。ポルターガイストに悩まされたのは、バタシーのとある家に住むヒッチェンズ一家である。

 1956年1月のある日、シャーリー・ヒッチェンズ(当時15歳)は、自分のベッドの枕元に銀色の鍵が置かれているのに気付いた。家族に聞いても誰もその鍵のことを知らず、家中の錠前を試してみても合うものはなかった。この鍵が何を意味していたのかは今もわからないが、その夜からヒッチェンズ一家はポルターガイストに悩まされることとなる。

「彼らは壁や天井、床から来ているようでした。テラスハウス(境界壁を共有する低層集合住宅)だったので、両隣の人たちもその音を聞いていました。午前3時に来てくれた警官もそれを聞きました」

 すでに80代となったシャーリーさんは、英「ITV」の番組「This Morning」のインタビューで当時の様子を生々しく語っている。その日から数週間、壁や天井を叩くような音は一晩中続くようになり、不気味な現象もエスカレートしていった

「鍋やフライパンなどが飛んでくるようになって、当たらないように避ける必要がありました。マントルピースに取り付けてあった時計が外れて、部屋を横切るように浮かんで飛んで、ダイニングテーブルに落ちたこともありました」(シャーリー)

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シャーリー・ヒッチェンズ。画像は「ITV」より引用

 ポルターガイスト現象が起きている間、一家は台所に座って、ただ耐えるしかなかったという。やがて不気味な騒音は昼間も起こるようになり、警察や家の設計士などを呼んで調査してもらっても原因はさっぱりわからなかった。

 この話はたちまち広まり、マスコミにも大きく取り上げられるようになった。一家の中で最も注目されたのがシャーリーだった。この件に限らず、ポルターガイスト事件では10代の少年少女が鍵となっているケースが多い。そして、このポルターガイスト現象を引き起こしていた霊「ドナルド」も、シャーリーに強い関心を抱いていたようなのだ。

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事件を報じた新聞記事

 ドナルドの存在を明らかにしたのは、当時ゴーストハンターとして名を馳せていたハロルド・チベットである。彼はこの家を調査し、ドナルドと交流しようとしたのである。

「そして彼は、最終的にドナルドをおとなしくさせてくれたのです」(シャーリー)

 シャーリーによると、ポルターガイスト現象は15年ほど続いたという。その間、一家は慢性的な睡眠不足に悩まされ、電車の運転手だった父親は職を失うこととなってしまった。それでも一家が引っ越さなかったのは、母親が病弱で車椅子を使っており、ここよりも暮らしやすい家にはなかなか住めないという切実な理由があった。

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ヒッチェンズ一家

 その後、この家は取り壊しになり、現在は痕跡どころか住所すらも変更されて消えてしまったそうだ。この一件は「バタシーポルターガイスト事件」と呼ばれており、英「BBC」で特集が組まれたこともある。

「もう二度とあんなことはごめんです」と語るシャーリーは今も事件を解決に導いてくれたハロルド・チベットに感謝しており、彼が遺したバタシーポルターガイスト事件のファイルを大切に保管している。15年の長きにわたって続き、家族以外にも多数の目撃者がいるこの事件は、今後もイギリス最恐の心霊事件として語り継がれることだろう。

参考:「Express」「BBC」ほか

TOCANA編集部

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