専門家が警告する中国製「キルスイッチ」重要インフラに埋め込まれた“遠隔操作”の恐怖

西側諸国で使用されている中国製機器から「キルスイッチ」が発見されたという衝撃的なニュースが駆け巡っている。専門家たちは、これによりエネルギー供給網をはじめとする重要インフラに深刻な脆弱性が持ち込まれている可能性を強く警告している。ロイター通信の報道によれば、アメリカのエネルギー供給に不可欠な機器から説明のつかない通信装置が見つかり、これを利用すれば中国側が遠隔操作でインフラを停止させることも可能になるという。
スイッチ一つで電力網を不安定化させ、広範囲な停電を引き起こす――そんな悪夢のようなシナリオが現実になりかねないと専門家は指摘する。
専門家が鳴らす警鐘:「制御不能な技術」への依存が生むリスク
サイバーセキュリティの専門家アダム・ピルトン氏は、「西側諸国は、自らが制御できず、ほとんど監査もしていない技術の上に重要インフラを構築してしまった」と現状の危うさを指摘。「太陽光発電ハードウェアにキルスイッチがあるなら、医療や防衛分野でも同様のリスクを抱えているのではないか」と警鐘を鳴らす。
NukuDo社のCEOディーン・ゲフェン氏も、この脅威は「具体的かつ起こり得る」とし、「これは偶然ではなく、長期的な戦略的ポジショニングの問題だ。輸出インフラに脆弱性を組み込むことで、静かな支配が可能になる」と分析する。意図が攻撃的か日和見的かは別として、結果的に外国政府が重要システムに足がかりを得ている事実に変わりはないという。
実際に、米国のエネルギー当局は再生可能エネルギーインフラにおける中国製機器のリスクを再評価しており、太陽光発電所のバッテリーやパワーインバーター(主に中国製で、太陽光パネルや風力タービンを電力網に接続する装置)から未公開の通信リンクが発見されたとの報告もある。これらは遠隔操作によるインフラ干渉の経路となり得ると警告されている。
見えざる脅威:遠隔操作によるインフラ破壊のシナリオと対策
国家安全保障専門の弁護士イリーナ・ツーカーマン氏は、「北京は電力網全体のソーラーインバーターに遠隔で干渉できる可能性がある」と述べ、これを「西側エネルギー網の根幹に埋め込まれたデジタル地雷」と表現する。
彼女によれば、遠隔破壊は派手である必要はなく、最初は軽微なメンテナンス問題や局所的な停電として現れ、徐々に大規模化・組織化されることで、電力網の不安定化、国民の信頼失墜、軍の即応性低下といった深刻な事態を引き起こしかねない。
紛争時にはミサイルを発射するまでもなく、静かな遠隔コマンド一つで多数のソーラーインバーターを停止させたり、誤作動させたりすることが可能になると警告する。ディーン・ゲフェン氏も、サイバー攻撃は単なるデータ窃盗からインフラの兵器化へと進化しており、地政学的対立下での敵対的シャットダウンはエネルギーだけでなく、防衛、水道、交通システムを麻痺させ、社会不安を煽ると指摘。「一発も撃たずにそれを達成できるなら、全く新しい戦争の時代だ。政府は今すぐ外国製ハードウェアを監査し、隔離し、安全を確保すべきだ」と訴える。

一方で、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のダン・マークス氏は、再生可能エネルギーシステムは急な出力変動に対応できるよう設計されているとしつつも、中国製インバーターに依存する割合が高ければ、晴天時の同時停止は電力網の安定性に深刻な問題を引き起こすと指摘。ただし、ロイター報道だけでは技術的な可能性や影響範囲の判断は難しいとし、さらなる情報開示と、必要であれば英国でも同様のチェックを行うべきだとの見解を示した。
NATO当局者も、加盟国は「戦略的依存関係」を特定し、削減する措置を講じる必要があると述べている。中国の重要インフラ支配の動きは強まっているとの認識だ。ドイツの太陽光発電開発会社1Komma5は、セキュリティリスクからファーウェイ製インバーターを避けていると明言し、中国の優位性が増す現状に警鐘を鳴らす。
サイバーセキュリティソフトウェア開発会社Rapid7のクリスティアン・ビーク氏は、意図に関わらず、未申告の遠隔アクセス機能は「重要インフラの混乱、操作、物理的損傷の潜在的経路をもたらす」とし、ソフトウェアとハードウェアの厳格な検証と強力な調達基準の緊急性を強調した。
太陽光発電の急速な普及は、機器の故障や干渉の影響を増大させる。もしこの主張が真実であれば、問題は太陽光パネルのインバーターにとどまらず、バッテリーや電気自動車の充電器など、現代生活の広範囲に及ぶ「スイッチ一つ」の脆弱性を露呈することになる。エネルギー源の部品レベルでの徹底的な調査と、外国からの影響への対策が急務と言えるだろう。
気づかぬうちに、私たちの日常は、静かに時を待つ「キルスイッチ」の支配下に置かれているのだろうか。
参考:Daily Mail Online、ほか
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2024.10.02 20:00心霊専門家が警告する中国製「キルスイッチ」重要インフラに埋め込まれた“遠隔操作”の恐怖のページです。中国、ソーラーパネル、遠隔操作などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで