伝説は正しかった!オーロラが発する『音』の驚愕メカニズム、科学が明かした古代の真実

伝説は正しかった!オーロラが発する『音』の驚愕メカニズム、科学が明かした古代の真実の画像1
イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI)

 夜空を彩るオーロラが、パチパチと音を立て、ささやくように歌う──。これは単なる詩的な表現や、古代人が残した迷信ではなかったのかもしれない。長年、科学者たちに「ありえない」と一蹴されてきた「オーロラの音」の伝説が、最新の研究によって真実味を帯びてきたのだ。

世界各地に伝わる「オーロラの音」と科学の壁

 スカンジナビアの先住民サーミ族はオーロラを畏怖し、「からかうと空へ連れ去られる」と子供たちを戒めた。フィンランドでは、ホッキョクギツネが空を駆ける際に尻尾が山に触れ、散った火花がオーロラになったと信じられていた。

 そして、世界各地の極北の民に共通して語り継がれてきたのが、「オーロラは音を出す」という伝承だ。パチパチと弾けるような音、シューシューと衣が擦れるような音。彼らはその音を、天国で魂が雪を踏みしめる音だと信じていた。

 しかし、近代科学はこの伝説を真っ向から否定してきた。なぜなら、オーロラが発生するのは地上から100kmも離れた遥か上空。そこは空気が非常に薄く、音波が伝わるはずがない。仮に何らかの音が発生したとしても、地上に届くまでに消え去ってしまうというのが、科学的な常識だった。人々が聞いたという音は、神秘的な光景が生み出す「幻聴」や「感覚の誤作動」に過ぎないと片付けられてきたのだ。

謎を解く鍵は「地上近くの放電」にあり

 この長年の謎に挑んだのが、フィンランドのアールト大学で教鞭をとるウント・ライネ博士らの研究チームだ。彼らは、音の発生源はオーロラそのものではなく、もっと地上に近い場所にあると考えた。

 ライネ博士が提唱した仮説はこうだ。

 まず、オーロラとは無関係に、地上近くで「逆転層」という大気の層が形成されることがある。これは暖かい空気が上昇し、その下層にマイナスの電荷、上層にプラスの電荷が溜まった状態だ。

 そして、オーロラが活発に動く時、その影響で生じる磁場の変動が引き金となり、この逆転層に溜まった電気が放電を起こす。この時、「パチッ」という鋭い音が発生するというのだ。

 この仮説は、なぜオーロラの光の動きと音が「同時に」観測されるのか、という最大の謎を見事に説明する。音は地上わずか数十メートルの場所で鳴っているため、時間差なく私たちの耳に届くというわけだ。

伝説は正しかった!オーロラが発する『音』の驚愕メカニズム、科学が明かした古代の真実の画像2
イメージ画像 generated using QWEN CHAT

古代の語り部は正しかった

 太陽風が引き起こす天空のショー、オーロラ。その発生源がホッキョクギツネや魂でなかったことは科学が証明した。しかし、「オーロラが音を伴う」という古代の人々の鋭い観察眼は、決して間違いではなかったのだ。

 彼らが聞いていたのは、幻聴などではない。オーロラと連動して地上近くで実際に発生していた、放電の音だった。科学はようやく古代の語り部たちが耳にした真実に追いついたのだ。

参考:Popular Mechanics、ほか

関連キーワード:, ,
TOCANA編集部

TOCANA/トカナ|UFO、UMA、心霊、予言など好奇心を刺激するオカルトニュースメディア
Twitter: @DailyTocana
Instagram: tocanagram
Facebook: tocana.web
YouTube: TOCANAチャンネル

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

伝説は正しかった!オーロラが発する『音』の驚愕メカニズム、科学が明かした古代の真実のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

人気記事ランキング更新