湿地に浮かぶ謎の光「アレヤのゴーストライト」― 漁師を死に誘う光の正体とは=インド

インド東部の西ベンガル州。この地に広がる湿地帯で、漁師たちが得体の知れない恐怖に怯えている。その原因は「アレヤのゴーストライト」と呼ばれる、古くから伝わる謎の発光現象だ。
水面を漂うように現れる球体の光。地元では、この光は不慮の死を遂げた漁師の魂だと信じられている。そして、この光に遭遇した者は道を見失い、死に至るという恐ろしい言い伝えがあるのだ。単なる迷信と笑い飛ばすことはできない。過去100年間で、この光との遭遇が原因とされる漁師の死亡事故は、実に50件近くにものぼるという。
そして今、この不気味な光が再び活発化し、人々の命を脅かしているというのだ。
「死とのダンスだった」九死に一生を得た漁師の恐怖体験
最近、立て続けに5人の漁師が命を落とした。時を同じくして、九死に一生を得た一人の漁師、ラタン・ダス氏の生々しい証言が、事態の深刻さを物語っている。
仕事を終え、家路についていたその時だった。彼は「水面のすぐ上に、3つの明るい光が浮かんでいるのが見えたんだ。今まで見たこともない青緑色の光だった」と振り返る。
恐ろしいことに、その光は彼を追ってくるかのように動き、完全に方向感覚を失わせたという。まるで死に誘われているかのような状況の中、夜が明け、太陽の光でようやく岸の位置を把握し、命からがら逃げ帰ることができた。彼はその体験を「死とのダンスだった」と語る。
この衝撃的な証言に加え、ここ数週間で「アレヤ」の目撃報告は300%も急増。科学者から超常現象研究家まで、多くの人々がこの奇怪な現象に注目している。
科学で解明できるか?専門家も首をひねる謎の動き
長年この現象を研究してきた大気物理学者のアニルバン・ゴーシュ博士は、光の正体を「沼気(しょうき)」だと考えている。湿地から発生したメタンガスなどが自然発火し、光って見えるという説だ。これは日本の「鬼火」や「狐火」の科学的な説明とも一致する。
しかし、話はそう単純ではない。ゴーシュ博士自身も、「その仮説では、光がなぜ組織的に動いたり、人間の存在に反応したりするように見えるのか説明がつかない」と、その限界を認めているのだ。科学のメスだけでは解明できない、不可解な点が残されているのである。

民話か、現実の脅威か―ついに動き出した当局
何世代にもわたり、この光は地域の民話や言い伝えの一部として存在してきた。しかし、人々の命を奪う現実の脅威となった今、当局も重い腰を上げざるを得なくなった。
州政府は湿地帯一帯に監視装置のネットワークを設置し、謎の光の正体を体系的に調査する計画を発表。警察も「超常現象か自然現象かにかかわらず、この光が人々を死に導いているという現実は無視できない」として、水上のパトロールを強化する方針だ。
ある地元役人はこう語る。「この光は我々のアイデンティティの一部だ。だが、それが人々の命を奪い始めたのなら、我々は行動しなければならない」
古くから伝わる人魂の伝説か、それとも未知の自然現象か。アレヤのゴーストライトの謎を解き明かすための挑戦が、今まさに始まろうとしている。
参考:Coast to Coast AM、ほか
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2024.10.02 20:00心霊湿地に浮かぶ謎の光「アレヤのゴーストライト」― 漁師を死に誘う光の正体とは=インドのページです。インド、発光現象、発光体、沼、人魂などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで