最強の磁石、回転床… 現実に起きた『ファイナル・デスティネーション』級の悲劇【前編】

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 ホラー映画『ファイナル・デスティネーション』シリーズ。その根底にあるのは、「死の運命からは決して逃れられない」という、一つの恐ろしいアイデアだ。映画では、ありえないほど手の込んだ奇妙な事故が次々と描かれる。だが、私たちがこのシリーズに惹きつけられるのは、日常に潜むありふれたモノが、突如として牙をむくかもしれないという根源的な恐怖を刺激されるからだろう。

 映画の中の奇想天外な事故は、もちろんフィクションだ。そう思うことで私たちは安心する。しかし、現実は時に映画をはるかに凌駕するほど衝撃的で恐ろしい。

 これから紹介するのは、そんな「まさか」が現実になってしまった10の物語。今回はその【前編】として、5つの事例をお届けする。

1. 食器洗い機に潜む、見えない刃

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 2003年5月、スコットランド。31歳のジェーン・マクドナルドさんは、友人の家のキッチンで忙しく立ち働いていた。その時、開け放たれていた食器洗い機のドアが彼女の運命を暗転させる。彼女は不運にも足を滑らせ、食洗機の中に転倒してしまったのだ。

 もしそれだけなら、彼女は助かっていたかもしれない。しかし、食洗機の中には刃を上にして立てられたナイフがあった。彼女はその刃の上に倒れ込んでしまったのである。

 この悲劇はこれが初めてではなかった。6年前、12歳のマーク・ロッキングハム君もまた、自宅で食器洗い機をまたごうとしてバランスを崩し、中にあったナイフで胸を貫かれて命を落としていた。日常の何気ない風景が一瞬にして死の罠と化した瞬間だった。

2. 最強の磁石が命を奪う凶器に

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 2001年7月、ニューヨーク。6歳のマイケル・コロンビニ君は、自宅で転倒し病院に運ばれた。幸い怪我は軽かったが、検査の結果、脳に良性の腫瘍が見つかった。手術は無事に成功し誰もが安堵した。

 その1週間後、経過観察のためにMRI検査が行われることになった。鎮静剤で眠っているマイケル君がまだ装置の中にいる時、一人の看護師が金属製の酸素ボンベを室内に持ち込んでしまった。

 次の瞬間、悲劇が起きる。MRIが放つ超強力な磁場が、その酸素ボンベを凄まじい力で吸い寄せたのだ。弾丸のように飛んだボンベは装置の中にいたマイケル君の頭部を直撃。彼は頭蓋骨を粉砕する重傷を負い、その2日後に息を引き取った。病を克服した矢先に、治療のための機械が彼の命を奪う凶器となってしまった。

3. 絶景レストラン、回転床の死角

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 2017年4月、アトランタ。ホルトさん一家は、高層ホテルの最上階にある回転レストラン「サン・ダイアル」で素晴らしいランチを楽しんでいた。このレストランは床がゆっくりと回転し、座ったまま360度のパノラマビューを堪能できるのが魅力だ。

 しかし、その魔法のような時間は悪夢に変わる。食事が終わり、一家が席を立った時、5歳のチャールズ君が数歩先を歩いていた。彼は、まだゆっくりと動き続けていた回転する床の壁と固定された木製のブースとの間に、どういうわけか挟まれてしまったのだ。

 その「ピンチポイント(挟まれる危険な箇所)」には、非常停止ボタンがなかった。父親やレストランのスタッフが必死で助けようと試みるが、床が停止した時、チャールズ君はぐったりと父親の腕の中に倒れ込んだ。頭部に致命的な傷を負った彼は、数時間後に病院で亡くなった。

4. 木材チッパーが招いた「完全な粉砕」

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 2005年12月、コロラド州。チャド・スワンクさんは、高所作業車のバスケットの中から、木の枝を切り落としていた。地上では、上司のブライアン・モースさんが落ちてくる枝を木材チッパー(粉砕機)に投入する作業をしていた。

 チャドさんが次の枝を切る前に、ふと下の様子を確認した時、彼は信じられない光景を目にする。上司のブライアンさんがチッパーの投入口の上で横たわっていたのだ。

「何をしているんですか?」と声をかけようとチェーンソーを止めた瞬間、チャドさんは気づいた。チッパーはまだフルスピードで稼働しており、ブライアンさんの身体が機械の中に引きずり込まれていくのを。チャドさんは高さ4.5mのバスケットから飛び降りて駆け寄ったが、もはや手遅れだった。

 後の調査で、ブライアンさんの手袋が機械に巻き込まれ、手を引き抜けなくなったのだろうと結論づけられた。検視官が記録した彼の公式な死因は、「total morselization of the body(全身の完全な粉砕)」という、あまりにも惨いものだった。

5. 丸太トラック ― 映画が現実になった日

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『ファイナル・デスティネーション』シリーズで、最も多くの観客の脳裏に焼き付いているシーンのひとつといえば、高速道路での丸太トラックの事故だろう。この映画さながらの悪夢が、2023年7月のフロリダ州で現実のものとなった。

 25歳の女性が運転するSUVが、信号で停止しようとしていた丸太を満載したトラックに追突。車間距離が近すぎたことが原因だった。その衝撃で荷台の丸太が崩れ、運転席側のフロントガラスを突き破って彼女を押し潰した。彼女は病院に搬送されたが、まもなく死亡が確認された。

 まるで映画の脚本のような偶然だが、同じ週、ジョージア州でも別の丸太トラック事故が発生している。死は、時に映画の筋書きをなぞるように私たちの日常に忍び寄ってくるのだ。

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画像は「Amazon」より

後編に続く

参考:Listverse、ほか

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