ロシアで相次ぐ富豪たちの「不審な死」プーチンのプロパガンディストが“謎の突然死”

ロシアでまた一人、プーチン政権に近いエリートが「突然死」した。今回犠牲となったのは、プーチンへの忠誠を誓ったウクライナ出身のメディア王。国営メディアは「長く深刻な病気」が死因だと報じたが、彼が病気を患っているという事前の報道は一切なかった。これは、プーチン政権下で相次ぐオリガルヒ(新興財閥)や政府高官の不審死リストに、新たに加わった忌まわしい一例に過ぎない。
祖国を裏切った“メディア王”の最期
今回、58歳で謎の死を遂げたのは、ロシア国営メディア「RIAノーボスチ」の専務取締役、キリル・ヴィシンスキー氏だ。
彼はウクライナ生まれでありながら、祖国の市民権を放棄し、ロシアのパスポートを取得。ウクライナ侵攻が始まると、プーチンのプロパガンディストとして、メディアの最前線で侵攻を正当化し続けた。彼は侵攻を「非ナチ化」と呼び、「ウクライナ人は合理的に考える能力を失った」と公言して憚らなかった。
2018年、彼はウクライナで国家反逆罪で逮捕されたが、翌年、ロシアとの「35対35」の捕虜交換でモスクワへと送還されていた。祖国からは「裏切り者」と非難され、プーチンからは利用価値のある駒と見なされていた彼が、なぜ今、死ななければならなかったのか。

窓からの転落、射殺、毒ガエル…あまりに奇妙な死因
ロシアでは近年、プーチン政権に不都合な、あるいは用済みとなった富豪や政府高官が、あまりに奇妙な状況で死亡する事件が相次いでいる。
窓からの転落死: ラテン語で「窓」を意味するfenestraから、「デフェネストレーション」とまで呼ばれる、最もポピュラーな死因。
銃による自殺: 今年7月、運輸大臣を解任されたわずか数時間後に、車の中で「銃創を負って」発見されたロマン・スタロヴォイト氏。公式には自殺とされたが、あまりにタイミングが良すぎる。
射撃場での“事故”: 今年4月、46歳のオリガルヒが、銃に弾が装填されているか確認しようとして、誤って自分を撃ってしまったとされる「悲劇的な事故」で死亡。
奇妙な民間療法: 2022年、石油王のアレクサンドル・スボティン氏は、二日酔いを治すためにシャーマンから処方された「毒ガエル」を使った奇妙な治療を受けた後に死亡したと報じられている。
プーチンは、こうした不審死を利用して「マフィア国家」を築き上げ、オリガルヒや政府高官を殺害することで、味方さえも恐怖で支配していると、多くの専門家は指摘する。

プーチンの味方でさえ、安全ではない
ウクライナ侵攻開始後のわずか10週間で、少なくとも5人のロシア人オリガルヒが謎の状況で死亡した。プーチンの友人や長年の盟友でさえ、決して例外ではない。
キリル・ヴィシンスキー氏の「突然の病死」もまた、この恐ろしい粛清の連鎖の一部なのだろうか。公式発表を鵜呑みにする者は、もはやロシアにはいないのかもしれない。プーチンの支配下では、昨日の味方が、今日の死体となる。それが、現代ロシアの現実なのかもしれない。
参考:Daily Star、ほか
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2024.10.02 20:00心霊ロシアで相次ぐ富豪たちの「不審な死」プーチンのプロパガンディストが“謎の突然死”のページです。プーチン、プロパガンダ、不審死、オリガルヒなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで